お迎えしたばかりの状況では、新しい環境に慣れてもらうためや、お互いを知るためにも観察し合う時期でもあります。うさちゃんの月齢や性格などでも異なってくることですが、一週間程度は外に出したりせずに、新しい環境をまずは知ってもらうことがよいといわれています。
お迎え当初はうさちゃんにとって初めての場所ですので、警戒心なども少なからずあったはずです。抱っこができたり、大人しくしていたことには、そのことも大きく関係していると思います。自分を取り巻いている環境が安心できる、危険を感じないということが理解できてきたことで、少しずつ自分の気持ちを行動で示すようになっているといえるようです。ケージの外がどういった場所なのか、一度出られたことなども経験となっていますので、興味津々な様子が見られることは予測できます。ケージの外に出すタイミングは、うさちゃんの性格などでも違ってきますので、様子を見ながら判断いただくことでもよいと思います。ただし、外に出した時に危険がないように環境をきちんと整えておくことや、あらかじめ行動範囲を決めるなど事前に考えていただくことは大事なことです。へやんぽの時間や場所をどう与えてあげることができるのかに合わせて、環境を作っていただくことになります。この時、ケージに戻すために抱っこする必要があれば、うさちゃんを追いかけまわすことのないようにしてあげることも必要になりますので、広範囲の遊び場ではなくサークルなどで仕切った環境が適してくる場合もあると思います。捕まえられることから本能で逃げる様子を見せるうさぎですから、いやな記憶を体験してしまうことで、飼い主さんとの関係性に影響することもあります。ただ、そうはいっても、抱っこしなければいけない場面はありますので、その時は飼い主さんが躊躇せずに的確に抱っこするための術を取得していただくことも必要になってきます。
また、撫でることについても、飼い主さんを警戒していないことや、手に慣れてもらうこと、そして撫でられることが好きな場所なども見つけていただくことになります。飼い主さんの手からフードを食べてくれるようですから、手に対しての警戒心などは今のところなさそうです。じつはこの直接手から食べるという行為も、はじめから見られる様子ではないですから、うさちゃんが飼い主さんを認識し始めているサインともいえると思います。撫でるタイミングについては、うさちゃんが撫でられたいと思う時に行うことが重要です。たとえば、食べる時、外に出たいと思っている時、遊んでいる時などのほかに気を向けている時に撫でようとしても、うさちゃんは逃げてしまいます。そうではなく、遊び疲れてリラックスしている時や、飼い主さんに対して興味を示している時などのタイミングで、優しく手を差し出しながら撫でてみていただくことが成功につながりやすいと思います。まれに何かに夢中になっている時ならば飼い主さんからの行為を受け入れてくれることもあるのですが、はじめはうさちゃんが受け入れやすい態勢の時に試していただくほうがよいと思います。うさちゃんの頭の上からいきなり手が伸びるような状況ですと驚かせてしまいますので、この点も注意いただくとよいかもしれません。額や頭などや、頬のあたりなども撫でさせてくれる傾向はありますので、どこを触らせてくれるようなのか、気持ちよさそうにしてくれるところはどこなのかを探ってみていただきたいと思います。
うさちゃんとの暮らしがスタートしたばかりですので、これからゆっくりとこちらのご家庭のルールが決まっていくと思います。焦らずにうさちゃんの個性も見ながら過ごしていただきたいと思います。