エンセファリトゾーン症は、細胞に寄生したエンセファリトゾーン原虫が炎症を引き起こし症状が見られる病気です。寄生虫とはいっても、顕微鏡でみるほどの小さな胞子体で、感染したうさちゃんの尿に含まれる胞子体が口に入ることで感染する経口感染と、妊娠中に胎盤を経由して感染する胎盤感染によって感染します。また無症状（不顕性感染）が多いというのもこの病気の特徴ともいわれ、うさちゃんの40～80％ほどが感染しているともいわれているようです。免疫力が低下したり、ストレスなどから発症しやすくなりますので、発症しないためにうさちゃんの健康を維持することが重要ともいわれています。
多頭飼育の場合、発症しているうさちゃんとの隔離が可能であれば、尿からの感染の不安がなくなると思います。ですから、ケージやカーペットを共用しなければ、不安がひとつなくなることではないでしょうか。ただ、多くのうさちゃんが不顕性感染であると考えると、発症しないための工夫ということも重要になってくると思います。ただ、基本的な対応となる、トイレの掃除をこまめに行うことや、おもらしの後もしっかりきれいにすること、お世話をしている飼い主さんもうさちゃんの対応の後は手をしっかり洗うということは必要です。
他のうさちゃんが感染、発症しないよう、免疫力が低下しない健康管理を改めて考えていただくことは必要不可欠だと思います。バランスのよい食事内容や適切な飼育環境、そしてストレスを回避できるようにうさちゃんを取り巻いている環境全体を振り返っていただきたいと思います。