うさぎさんに限らずにいえることなのだと思いますが、食べたものを排泄するということは、必要な栄養を腸内で吸収して、余分なもの（繊維質など）を送り出すというしくみです。牧草の場合には、同じイネ科のものであっても、チモシーとオーツヘイではやはり内容が違っています。形状の違いももちろんありますが、含まれている栄養価や繊維質などにそう大きな違いはないのではと感じられてもやはり違がっています。糞の大きさや形状が異なることの理由として、排泄される余分なもの違いや、糞を形成する際に邪魔をするものなどがあると考えられます。通常栄養として吸収されない余分な繊維質はあまり必要のないものとされますが、うさぎの場合はこの繊維質がとても重要です。牧草は毛球症の予防や歯の適切な摩耗、腸内細菌の安定やストレスの軽減などとても大事な役割をもったものですが、排泄物を一定にすることにもこの牧草の繊維がかかわっています。糞が小さくなる場合は、食事の中に排泄する余分なもの（繊維質）があまり入っていない時に見られます。形が一定であれば病気という疑いはないですが、牧草の量や内容などを見直していただく経過観察が必要になります。形が一定ではないという場合には、お腹に毛や異物などがあることが疑える状況です。異物があることで糞が丸くなりません。換毛期の糞などを思い浮かべていただくとわかりやすいかと思いますが、涙形のようになっていたり毛で繋がった糞が排泄されたりすることがあると思います。ふぞろいな形の糞が見られ、その後に小さな糞が見られるような場合は、腸内に何らかのトラブルが起きている可能性がありますので、直ぐに獣医師に診ていただくことが必要になります。今回のように牧草を食べなくなってしまったことで、突然内容が変わってしまう場合には、取り込まれた牧草に対しての消化システムが働き出しますので、これまでとは違った排泄物が見られやすくなるのです。繊維質や栄養素の違いという理由もあれば、消化システムが変わってきているためという捉え方もあると思いますので、慎重に観察いただくことが大事になってきます。排泄物の違いのほかに不安な点がないという場合には、観察いただけますが、その場合も糞の状態がどう変化するのかをよく見ていただくことが大事です。排泄物の違いのほかに、うさぎさんの様子や体調にも不安がある時には、すぐに獣医師にご相談いただくことが必要になります。牧草が変わったということ以外にも理由が隠れている場合もありますので、専門家にきちんと診ていただきましょう。そして牧草についても、普段から複数のものを与えていただくことが望ましい環境になります。一種類だけですと突然食べなくなったという場合に、今までとは違った内容を取り込むことになりますので、お腹の調子が変化することが考えられます。普段から複数のものを食べられる環境にしていただくことで、その内容にあった消化システムが構築されますので、一種類を食べなくなっても食べ慣れたものが引き続き取り込まれますので、大きく調子を崩すことがない状況を作ってあげられるとも考えられるのです。