うさぎさんにも私たちと同じように思春期があります。縄張りや優位性などの自分の存在をアピールする様子が見られるようになります。そういった状況の中で、飼い主さんの意向とは異なる行動を見せることもあります。それが反抗期と呼ばれれば、うさぎにも反抗期があるといえると思います。大人の仲間入りをする生後5～6ヶ月頃から、行動の変化が見られることが多い印象がありますが、これについても個体差がありますので、もっと早い段階で見せる子もいれば、何年も経ってから見られる場合もあります。今回の場合は環境が変わったということもポイントとしてあげられるのかもしれません。新しい環境がこれまでとは全く異なっているようですので、新しいルールの中で芽生えた状況とも捉えられるのかもしれません。また爪切りやグルーミングなど必要不可欠なことに対して、苦手だという点を認識しながら練習を繰り返したということも、うさぎさんにとってあまり好ましくない状況を生んでしまったのかもしれません。抱っこを上手にできるためにはその行為を繰り返してコツを覚えることでもありますが、その相手をするうさぎさんの心情も考えてあげることはとても大事なことなのです。うさぎさん側からいえばストレスとなることですから、それを何度も繰り返されては飼い主さんとの信頼関係にも影響が生まれてくるのだと思います。実践する際に慌てないように、上手に行えるようにと練習する時は、ぬいぐるみなどを使ってどの場所を抱き上げるとバランスが取れるのかなどをトレーニングしてみてください。そして実践する時はなるべく短時間でより的確に行えるように、周りを整えておく（グルーミング用品を準備しておくなど）ことも大事です。名前を呼んだだけで警戒している様子があったようですので、慎重に対応していただくことも大事なことです。飼い主さんを避けるような状況が続くことのないように、今は見守ってあげることも必要なのかもしれません。驚かせたりしないような声の掛け方や近づき方などでうさぎさんの反応を見ていただくことも大事だと思います。本来はとても甘えん坊で飼い主さんに見ていてもらいたいうさぎさんのようですから、うさぎさんの今の状態を尊重しながら、少し距離を置くことでどういった反応を見せるのかということでも、対応方法が見えてくるのかもしれません。こう接すればよいという答えがひとつではありませんから、今後もまだ試行錯誤していただくことになると思いますが、焦らずにうさぎさんのペースも見ながら対応していただきたいと思います。