うさぎの尿の色は、通常は白濁した色から黄色、オレンジ、赤などの色が見られます。食事の内容などでもこの色が変わってきます。色の濃い緑黄色野菜や牧草などを食べた後は、色が全体的に濃くなる傾向があります。そしてうさぎはカルシウムの代謝が私たちとは違っています。余分に摂取されたカルシウムは尿中に排出されますので、うさぎの尿はそのカルシウムの結晶で白濁しているのです。尿中のカルシウム濃度はいつも高い状態にあります。また基本的にうさぎの尿はアルカリ性ですが、体調が悪くなったりすると酸性に傾きます。そうすると尿の中のカルシウムが溶けだして透明になります。水をたくさん飲んでいる場合は、濃度の関係で透明になることもありますが、そういった状況がない場合には、うさぎさんに何らかの変化があると考えて慎重に対応していただくことがよいと思います。今回の場合は食事制限を行い始めたというこれまでとの環境の違いがありますので、このことが影響しているのことは十分に考えられるのではないでしょうか。ダイエットが必要な場合でも、急激に食事内容を減らしてしまうようではうさぎさんの命にもかかわることです。これまで与えていた食事内容や量がどの程度であったのかをまず再認識していただいて、それをどのぐらいに制限することがよいのかということを見極めていただくことが大事なことなのです。こちらのうさぎさんの適正体重がどのぐらいであるのかも踏まえて、獣医師に再度アドバイスをいただくとよいと思います。ダイエットは長期的な計画で行っていただくことが大事なのです。取り込まれている内容が変わったことで、うさぎさんの体や消化システムに変化が見られている可能性があると思いますので、食事制限の内容に問題がないかという点も合わせてご確認いただくとよいと思います。そして食事内容にだけではなく、うさぎさんを取り巻いている飼育環境全体にも目を向けていただきたいと思います。体調不良が見られるような環境がないか、ストレスなどがないかという点も探っていただくことも大事だと思います。