去勢手術を行った後の変化ともいえるのかもしれませんが、今回の行動が見らえれた時のうさぎさんを取り巻いている環境を、もう一度思い返していただくことが必要だと思います。気性が荒くなったという様子を感じていらっしゃいますが、それがどういった意味のある行動なのかということを考えてみていただくとよいのだと思います。6か月という月齢ですので、思春期を向かえることで見られるようになった行動の変化ということもあると思います。去勢手術をすることで攻撃性が減るということは言われていることですが、それぞれのうさぎさんによって見られる変化には違いがあることなのです。今回の場合は、飼い主さんとコミュニケーションを取りながら楽しく過ごしていた場面で、急に行動に変化が起きたようです。この時に何かに驚いたなどのことがあれば、パニックなどになり行動が一遍することもあると思います。また膝の上とケージを行ったり来たりを繰り返していたことで興奮していたということや、その興奮から行動がさらにエスカレートすることなどもよくあることです。うさぎさん自身でもどうしたらよいかがわからなくなってしまった可能性もあるのかもしれません。そういった気持ちであれば、周りの環境に敏感になって警戒してしまうことも十分に考えられると思います。そんな中、飼い主さんの手が自分の縄張りの中に入ってきたことで、思わず反応してしまったという解釈もできると思います。興奮が収まるまで待ってあげてから対応していただくことはとてもよいことです。この時、ゆっくりと話しかけてうさぎさんがどう感じているのかを観察しながら接してみていただくとよいと思います。思春期に入ることで、縄張りの主張が見られるようになります。去勢手術を終えている場合でも、主張する必要を感じた時にはその行動も見られることだと思います。噛むという行為は、うさぎさんから見た時にはそれなりの理由があるのです。攻撃するための行為だけではなく、驚いたりすることや不安な気持ち、具合が悪い時などにも見られることがあります。もう一度うさぎさんを取り巻く環境を見渡していただきながら、うさぎさんが何を伝えようとしているのかを探っていただきたいと思います。噛まれたことで慎重になってしまうこともとてもよくわかります。ただこの飼い主さんの気持ちの変化はうさぎさんにも伝わっています。飼い主さんの不安はうさぎさんの不安にもなりますので、不安を取り除くことができるように、上手に取れていたコミュニケーションからまたはじめていただくとよいのではないでしょうか。噛むという行為が予測できるシーンを作らないようにして、うさぎさんを観察していただくとよいのかもしれませんね。うさぎとの暮らしはこうすればこうなると一言では片づけられないことがたくさんあります。個体差も環境の違いもあることです。試行錯誤していただくことになるのですが、そのことも一緒に暮らしていることの醍醐味のひとつといえると思います。飼い主さんの気持ちを楽にできる場面を作りながら接してみていただきたいと思います。