胸やお腹の毛をむしり取ってしまい、巣床となるよう巣作りの様子も見られているようですので、疑似妊娠の可能性があるのだと思います。これまでにも見せている状況のようではありますが、より多くの毛をむしってしまう状況があるようです。巣作りの行為に集中させないためにも、ほかに気を向けてもらえることがないかを考えていただくこともよいのではないでしょうか。普段から好きな遊びなどがあれば、ケージの中でもその遊びができるような環境を考えていただくことや、おもちゃなどにも興味を示してくれる子であれば、取り入れていただくことでも、見られる行動に変化が起きると考えられます。また、今与えている環境を見直してみていただくこともよいのかもしれません。これまでとは違って過剰に見られている行為とも捉えられる状況ですので、この疑似妊娠の行為を助長させてしまう環境になっていないかを探っていただくことも大事なことなのだと思います。むしった毛はそのままにせずに取り除いてあげることも必要になります。ただ、巣作りする材料がないと判断してしまうことで、また毛をむしるという悪循環が生まれる場合もありますので、その場合は牧草を与えていただくとよいのです。長めの牧草であれば、引き抜く、集めるということに向きますので、カットされているものよりは長めの牧草を与えていただくとよいと思います。飼い主さんも心配されているように、毛球症予防にも牧草は重要です。多くの繊維質を取り込んでもらうことも大事ですので、牧草をたっぷり与えていただきたいと思います。環境を整えていただいたときに、うさぎさんがどういった行動を見せるのかを観察していただくことになると思います。変化が見られたならばよい環境つくりができたということでしょうし、そうではない場合にはさらにうさぎさんの状況を探っていただくことで、対応策が見えてくることだと思います。普段との違いの原因がどこにあるのか、うさぎさんを取り巻く環境全体を見回していただきながら、考えていただくことが大切なのです。そして、うさぎさんの皮膚の状態なども確認していただくことも必要です。炎症などが見られているような場合にはかかりつけの獣医師にご相談いただきたいと思います。