お迎えしたばかりの環境のようですが、順調に新しいお宅に慣れてきているようですね。飼い主さんもよくうさぎさんを観察していらっしゃいます。盲腸糞の食べ残しが見られているようですが、この盲腸糞は、タンパク質とビタミンと多くの微生物を含んでいます。うさぎはこれを食べる事でエネルギーを取り込みます。通常はうさぎさん自ら直接口にしていますので、飼い主さんの目にふれることが少ないのですが、場合によっては食べ残しが見られることもあります。うさぎさんにとって環境や生活スタイルが変わり、盲腸糞の出る時間が一定でなかったり、ストレスなどで消化機能が低下している場合などに、食べ残しが見られることがあります。また、肥満などによって上手に食べられない場合にも、食べ残しのように目にすることもあります。このほかには、十分な栄養素をしっかり摂取している時に、盲腸糞を食べ残すというケースもあるようです。今回の場合は、お迎えされたばかりで環境の変化を体験中ということですので、新しい生活リズムが生まれているといえることだと思います。この環境の変化によって、消化システムが異なった働きを見せるようになっているのではないかと推測できる部分はあると思います。ただし、食事の時間が同じ状況で盲腸糞の出る時間帯が遅くなっているなどの場合には、ストレスの影響などではないかと疑いを持っていただくことがよいでしょう。盲腸糞は、排泄される糞全体の３０～８０％の量にあたるようです。このことから考えると、我々が思っているよりも多くを作り出されているような印象があるかと思います。健康でたくさんの盲腸糞が作り出され、それを食べきることができないという状況ならば、心配はないといえるのだと思います。盲腸糞を食べる素振りも見せているのか、そうではないのか、行動などにも変化がないかという点を今一度よく観察していただいて、心配がぬぐいきれないというときには、早めに獣医師にご相談いただくことがよいと思います。食欲が少ないと感じられたことをしっかりと受け止めていただくことは重要です。実際のうさぎさんの状態を診ていただくことで、どこが悪いのか、何が原因なのかということがわかるのですからね。どういった原因が考えられるのかを専門家に探っていただいて、その原因を取り除くことができるような環境を与えることで、うさぎさんの様子にも変化が見られるようになるのだと思います。室内と外気温との差が大きい季節でもありますので、通院の場合の環境もしっかりと整えていただくことも大切です。