斜頚の症状が見られる時、その原因には大きく分けると、脳、脊髄以外の神経が侵されている場合（末梢性）と、脳の中枢機能が侵される場合（中枢性）のふたつがあります。末梢性の斜頚の原因として多いものには、パスツレラ菌による内耳炎が考えられます。今回の場合、耳に炎症があるということですので、この末梢性の疑いを持って治療をスタートしたということなのでしょう。ただし、特別に検査などをしていないという点を、飼い主さんも気にされているようでもありますので、治療の経過を見ながら、エンセファリトゾーン症の疑いがないか、抹消性の症状であっても他の原因がないかということを、調べていただきたいという気持ちをお伝えすることもよいことなのだと思います。心配なまま過ごすのではなく、可能性を考えてそれらに該当することがないかを確かめていただきましょう。いずれの場合でも、その原因を明確にすることができれば、その症状にあった早期の治療で、よい結果が見られるともいえることなのですからね。そしてサプリメントについてですが、免疫力を高める、維持することの効果が見込めるものを選んでいただくこともよいと思います。病気に負けない体つくりを目指していただけることだと思います。また、体の不調があることで、食欲も落ちてしまうことがあると思います。サプリメントだけではなく、食欲を上げる副食となるものも取り入れていただくこともよいでしょう。体重の増減や、排泄の状態なども観察していただきながら取り組んでいただくことが必要です。取り込む栄養やカロリーなどに制限をする必要がないかなどは、かかりつけの獣医師にご相談の上、与える量などについてもアドバイスをいただくことがよいと思います。斜頚の症状は、早期の治療によってよくなることも少なくありませんから、諦めずに取り組んでいただきたいと思います。