切歯（前歯）とかじり木の関係性としては、極端に堅いものではないということを考えてあげることが必要ではあると思います。ケージなどの堅く、齧っても形が変わらないものなどは、齧っている歯に対して変化が起こってくるのです。自然界では、うさぎの食事として、木を齧ったり、木の皮を食べたりして過ごしていますので、かじり木自体が不必要なものとはいえないと思います。ただ、今回のうさぎさんのように、不正咬合という状況が見られている時、表面に見えている歯のトラブルのほか、歯根からの変化ということも充分にあります。また、極端に堅いものを齧ることによって、歯根にも影響が見られてくる可能性もあることでしょう。こういった状況を見通しての、獣医師のアドバイスということもあるのだと思います。今回のうさぎさんの場合には、かじり木には元々あまり興味を示さないということでもありますので、無駄に歯を酷使するという状況は生まれにくいのだと思います。ただ、飼い主さんのお気持ちにもありますように、この子に向いたかじり木があれば与えたいということもとてもよくわかります。木の素材を見比べていただいて、堅過ぎないやわらかめのものを探していただき、試してみるということもよいのではないでしょうか。ちなみに、かじり木としてではないですが、すのことして販売しております「エンボスすのこ」は、柔らかく齧りやすいすのこですので、かじり好きのうさぎさんに大変人気です。こちらを、ケージを齧ってしまう子のガードとして用いていただくこともお勧めしておりますので、ご検討いただければと思います。そして予防に関しては、切歯を使ってしっかり噛み切るということができるような食事を考えてあげることが必要だと思います。繊維質をたくさん含む牧草をしっかり与えていただきたいということです。歯の為だけでなく、うさぎさんにはとても重要な食事ですので、上質なチモシー牧草をいつでも食べられる環境を作ってあげてください。また、ご褒美などで与えている内容も、今一度見直してみるということも大切だと思います。噛み切るという動作をしなくとも、簡単に砕けてしまうようなおやつなどは不向きです。そして、ケージにガードが付いたことでもありますので、齧るという行為が少なくなるとも解釈できるでしょう。うさぎさんからしてみればストレスとも捉えられる環境になるわけですので、齧って遊べるおもちゃを与えていただくことも必要です。かじり木にこだわらずに、お好みのものを探していただくとよいのではないでしょうか。わらっこ倶楽部の様々なアイテムや、わらやチモシーでできたおもちゃ、また柳の枝で作ったビワボール（その他かじリングボールミント、シソなど数種類あります）などもお薦め致しますよ！是非ご検討ください。