皮膚疾患のひとつに、いわゆるソアホックといわれる飛節びらんがあります。うさぎの足底は完全に毛で覆われていますが、何らかの原因で毛が抜けると足底を守るものがなくなり、薄い皮膚で直接床などにふれたり、歩いたりで炎症がおきやすい状態により発症します。この炎症がおきた状態を飛節びらんといい、軽度の発赤からひどい炎症（潰瘍や膿）まで様々な症状があります。ほとんどは、うさぎの後肢の特に足底部に多く見られますが、まれに前肢に出来ることもあるようです。
初期の段階で小さな脱毛と発赤が見られます。この時点では特に薬など使用せずに、原因を追及してそれに見合った対処の方法で、完治する場合もあります。原因としては肥満の為に足の裏への負担がかかることや、スタンピング行為を多く行う、生まれつき足底の毛が薄いなどのうさぎ自体に問題がある場合と、飼育環境に問題がある場合になります。狭いケージであまり動くことがなくいつも同じ姿勢でいたり、床が平らで移動するときに足底の同じ場所がいつもあたっていたり、おしっこで床が湿っているなどで不衛生な状態で皮膚炎になりやすいなどですね。基本的にうさぎさんの行動や環境に問題がないかを見つめ直してみる必要があります。
今回の場合は、ネザーのうさぎさんですし、体格的にも小さいほうですよね。衛生面でも不安なところは見あたりませんから、やはり頻繁に行うスタンピングが原因の有力候補といえそうです。そして、元々足底の皮膚や毛の環境がデリケートなのかもしれませんね。スタンピングを止めさせることもひとつの対処方法となるのかもしれませんが、お話を拝見する上では、習慣化しているようですからなかなか難しいのかもしれませんね。でも、スタンピングする場面が予想できるようですから、その場面に遭遇した時、「大丈夫、怖くないんだよ。足が痛くなるから止めようね！」と、気長に話しかけていただくことも、とても大切かもしれません。飼育環境は、うさぎさんの足底が、いつも同じ状態にならないようにしていただくことが、ソアホックの場合には重要になります。その点すのこや下網などは、うさぎさんの足底が一度に全面つくことがないですから、適した環境といえるでしょう。（プラマットも同様ですね！）マットなどでも違うタイプのものなどを併用してしようしていただくことも、もしかしたらよいのかもしれませんね。そして、グルーミングスプレーで環境を整えていただいて、キトサンスプレーやプロポリス軟膏などを使用していただくと、皮膚自体にもよい影響が生まれ、薄かった毛が生えてくることもありますから、是非お試しいただきたいと思いますよ。