うさぎは薄明薄暮性（はくめいはくぼせい）の動物であります。明け方（薄明）と夕方（薄暮）など、昼や夜ではないこれらの時間帯に行動が活発になる生き物です。日中休息しているという様子はこちらに当てはまる状況だと思います。深夜の時間帯に飼い主さんに対してのアピールが見られますが、本来ならばこの夜の時間帯も飼い主さんの生活シーンに沿って休息する傾向はあるのですが、こちらのうさちゃんはこの時間帯に思いをぶつけてきている状態が見られています。対応している状況などからは、かまってもらいたい、遊びたいということではなく、お腹が空いたというアピールのようですが、うっ滞の症状が改善され始めた時期から見られているということもありますので、腸内の働きが活発になり食欲が増している、食べたいという気持ちが大きくなっていることなども考えられるのかもしれません。今現在の夜の食事の時間帯や与えている量などを改めて振り返ってみていただくことはできるのではないでしょうか。ペレットはその子その子で適した量を制限して与えますので、夜食べる量が少ないようならば、朝に与える分とのバランス（割合）を変えてみていただくこともできると思います。そして、牧草も食べてくれるうさちゃんのようですから、この牧草を夜間に食べることができるような環境をさらに考えていただくこともできると思います。一種類だけではなく複数の牧草をいろんな場所で食べることができるようならば、食べたいという気持ちを軽減してあげられる可能性もあるのかもしれません。今回のように行動がエスカレートしてしまった際の放し飼いの環境の場合は、うさちゃんに言い聞かせる、納得させることが難しい場合も少なくありません。就寝時だけケージの中で過ごしてもらうという方法もお勧めさせていただきますが、すんなりと納得してくれない場合もあります。暴れても何をしても無視できる環境に整えながら、うさちゃんの反応を観察してうさちゃんにも飼い主さんからのルールを納得してもらうことになります。ただうさちゃんによっては本当にその気持ちを行動で示し続ける場合もありますので、そうなると飼い主さんがどこまでうさちゃんの気持ちに応えられるのか、どこからはルールとして覚えてもらうのかということの折り合いをつけていただくことになると思います。体調が回復して元気いっぱいな状態はとても喜ばしことですが、夜間は休む時間だということをうさちゃんにも納得してもらえる環境をなんとか探していただくことになりそうです。またうっ滞の症状があったこと以外に、飼い主さんやねこちゃんの様子など取り巻いている環境などに他に理由となることが考えられないかということも振り返ってみていただきたいと思います。そして、繰り返して食事を取り込んでいることで、一日の食事量に変化が見られているようですと、排泄物は健康そのものということですからこの点は安心できますが、体重などのも変化が見られる場合も想定できますので、こちらも確認していただきながら上手にコントロールできるように取り組んでいただくことも必要です。問題行動に対しての答えはひとつではなく、それぞれのうさちゃんごと、ご家庭ごとで異なってきますので、具体的なお答えができずに心苦しいですが、飼い主さんもうさちゃんも納得ができる環境を見つけていただきたいと思います。