穴を掘るというよりも、その逆のように手前から前へ押し出すような仕草が見られているようですが、このことも掘るという行為と関連していることではないかと思います。穴ウサギの特徴として見られていると捉えていただいてよいと思います。掘る仕草の後にこの行動を見せることもあるのですが、この数か月で見られるようになったということですので、こちらのうさぎさんにとって習慣となっていることなども考えられると思います。またその行動を見せる場所の環境などでも、この行動が意味することもあるのかもしれません。掘るよりも押し出す行動をしやすい環境などが感じられるならば、うさぎさんにとってこの行動に意味があるといえるのではないでしょうか。牧草などを集めて巣作りの行動を見せることと合わせて見られるならば、疑似妊娠による行動とも捉えられるのかもしれませんので、よく観察してみていただきたいと思います。また頻繁にこの行動を見せているような場合は、前足のチェックも行っていただくとよいと思います。毛が薄くなっているような場合は、今後も続けてこの行動が見られることで症状が進む可能性もあります。その場合は続けて見せないように止めさせてあげることや環境を見直していただくことも必要になってくると思います。そして抱っこを嫌がるということは、うさぎならば必ず見せる行動です。特にお年頃になってきたことで、うさぎさんも自己主張をより見せるようになってきているのだと思います。今回の場合は、必要以上に抱っこをしているという状態ではなく移動のための必要不可欠な抱っこでもありますので、この点は飼い主さんが強い気持ちを持って取り組んでいただくことでよいのです。うさぎさんにとっては捕まえられることから本能で避けようとしている状況と、病院に連れていかれるということも察知していることでしょうからより避ける行動を見せるのだと思います。それでもこれは必要な状況ですので、うさぎさんにも受け入れてもらうことが必要なのです。嫌がるということを想定した中で抱っこを行っていただきますので、飼い主さんが躊躇せずにより的確に抱きかかえていただくことに取り組んでみてください。そしてその後にご褒美を与えていただくこともよいことです。ケージの外に出たら遊ぶことができる、キャリーに入ったら美味しい牧草やおやつがもらえるなど、報酬を合わせて与えてもらうことで、嫌々ながらも次第にうさぎさんも受け入れてくれるようになりますので続けて行っていただきたいと思います。女の子の場合は、子宮系の病気にかかる確率が高いですので、適した時期の避妊手術でその病気を予防できることが期待できます。避妊手術を行うことで攻撃性なども減ることがありますが、必ずそうなると言い切れる保証が残念ながらありませんので、この点をより重要視しているという場合には再度獣医師にもご相談いただきたいと思います。