うさぎさんの行動に変化が見られて、そのことが問題行動となっている場合は、与えている環境をまずはしっかりと把握していただくことが大事なのです。うさぎさんは飼い主さんから与えられた環境の中で過ごしているわけですから、その点を見直していただくことで行動に変化が生まれることもあるのです。またうさぎの行動には習性や本能なども大きく関係しています。年齢によっては思春期を向かえ縄張りや優位性の主張のためににおいつけを行うことも多いのです。これらを踏まえて考えていただきながら、飼い主さんがどうしたいのかということで与える環境が決まってくるのではないでしょうか。制限のない環境の場合は、縄張りや優位性の主張を助長してしまう環境でもあるのです。もちろんうさぎさんの中には、これらの主張を見せない子もいますので全てがそうだとは言い切れることではありません。それぞれのお宅ごとでどういった環境を与えているのか、うさぎさんの性格などと合わせて考えていただくことで、それぞれのベストといえる環境を作ることができるのだと思います。問題行動として見られる状況が拡大していますので、だからこそ今環境を見直すということができるのです。においつけをしないで済む環境に整えていただくという捉え方をしていただくとよいのだと思います。ジョイントマットを取り入れたことでおしっこをしないようになったようですので、範囲を狭くしたくないというのであれば全てこの環境に整えるということでも反応を見ることができると思います。とても広いスペースで遊ばせてあげられることは、うさぎさんにとってもとても楽しい環境なのだと思います。ですが運動するスペースが狭まったとしても、その中での過ごし方をしっかり見つけてくれるはずです。ケージがある部屋のみとなったとしても、十分な広さの遊び場となっているのではないでしょうか。うさぎさんのための環境作りは大事なことですが、関係性としては飼い主さんが上位に立つことが必要です。うさぎさんが自分のしたいようにできると勘違いしてしまわないように対応していただくこともしつけに繋がるのです。もちろん環境が変わることではじめはうさぎさんにも戸惑いがあるかもしれません。ですが、与えられた環境に順応する術も持ち合わせているのがうさぎでもあります。どういった反応を見せるのかを観察していただきたいと思います。また去勢手術についても、問題行動が全てなくなるという保証はありません。習慣となってしまった行動は残る可能性もありますので、手術に関してはかかりつけの獣医師ともよくご相談いただいてご判断いただくことが大事です。あとから後悔しないためにじっくりと話し合われることが重要なのです。おしっこでにおいつけをするというケースの場合、こちらでよくアドバイスさせていただくこととしては、うさぎさん専用の縄張りとなるように事前に仕切った環境を与えて、その縄張りを明確にしてあげることなのです。そうなることで縄張りの主張を助長しない環境を与えてあげられるからです。ただそれでも、もっと広い環境の中で遊んでもらいたいという時には、その範囲を広げていらっしゃる飼い主さんもいらっしゃいます。与える環境はそれぞれの飼い主さんごとで異なっていてよいことでもありますので、飼い主さんがどういった環境を与えられるのか、どこまでなら許せるのかということをよく考えていただくことで対応方法も見えてくるのだと思います。1歳半という年齢は自己主張も十分に見せてくれる年齢です。今後もよりやんちゃな行動なども予測できる部分もありますので、そういったことも想定しながら納得のいく環境を見つけていただきたいと思います。