生後2ヶ月半ということですので、まだまだこれからいろいろなことを覚えてくれるようになりますし、たくさんの行動を見せてくれるようになります。トイレについては、飼い主さんの試行錯誤が功を評して9割も成功するようになったことはとても素晴らしいことです。飼い主さんのこうして欲しいという気持ちが、うさぎさんにも伝わったのでしょう。環境の変化を体験しながら新しい自分の縄張りをどう使うか探っている中で、飼い主さんが誘導したように使ってくれるようになっています。トイレの場所はうさぎさんが自分で決めますが、その場所は飼い主さんが与えるトイレと合致するか否かは、実際に環境を与えてみるまでわかりません。トイレを率先して使ってもらえるような環境に整えられたということは、うさぎさんにとっても納得のいく環境になったといえるのだと思います。ある程度ケージの使い方が決まったわけですが、その中にくつろぐ場所やおもちゃなどを取り入れることで、それまでとは違った縄張りの使い方が見られることもあります。新しいものに対してにおいつけの意味が込められている行動の場合もありますし、ケージの中の縄張りの使い方がリセットされてしまうことなども考えられます。ケージの床面の環境が金網タイプのすのこですので、トイレ以外でおしっこしてしまったとしても、うさぎさんの体は汚れにくい環境といえると思います。それでもトイレの場所を一か所に決めてもらいたい場合は、元の環境に戻してみてうさぎさんがどう行動するのかを観察していただきたいと思います。くつろぐ場所については、トイレ以外のものがない場合にどう休息しているのかを探っていただくことも必要です。その環境の中でもリラックスして過ごしている様子があるならば、ハウスなどを取り入れていただかなくてもよいのだと思います。また逆に、くつろぐ場所を与えることで、おしっこの場所は一定ではなくなってもリラックスして過ごしている様子が見らえるならば、その環境もうさぎさんは好んでいるのだと捉えることもできると思います。与えられた環境の中でどう快適に過ごすことができるかをうさぎさんも探っていることもあります。飼い主さんがどうしたいかという点ももちろん重要ですが、うさぎさんがどう感じて過ごしているのかを観察していただいて、お互いが快適に過ごすことができる環境を見つけていただきたいと思います。そして牧草入れの中から牧草をかき出す時に爪で引っ掻くような様子が見られていますが、爪の状態も合わせて観察していただきたいと思います。自然界で過ごしている時には、駆け回ったり穴を掘ったりする様子が多く見られることだと思います。そうしていることで伸びてくる爪が自然と整えられる状況になります。今回のように掘る仕草をよく見せる子の場合は、爪の伸び方がゆっくりだと感じられることがあります。爪が伸びてきていても、うさぎさんが上手に自分で整えていることがありますので、爪を切る間隔が長くなることがあるのです。爪の状態を見ていただいて心配がなければ問題ない環境だと思います。ただし、牧草が取りにくいことから引っ掻く行動が見られていないか、十分に牧草を食べることができているのかという点は確認していただくことが必要だと思います。大人になるにつれ牧草がメインの食事内容になりますので、いつでも好きなだけ食べることができる環境になるように整えていただくことが必要になってきます。うさぎさんとの生活がスタートしたばかりです。成長して思春期を向かえるようになっても行動に変化が見られるようにもなりますので、ゆっくりとうさぎさんのペースも見ながら、気長に取り組んでいただきたいと思います。