その場にあるものを齧ることは、うさぎに見られる行動のひとつといえると思います。今回のうさぎさんの場合はこの齧るという行為をよく見せているようです。この点は本能から見られていると受け止めていただくことは必要です。こちらにいただきますご質問には、プラスチックやケージの柵などを齧って困るという内容が多いのですが、このように齧っていけないものではなく、齧ってよいものに興味を示してくれていることは、問題が軽減されていることでもあるのです。かじり木や牧草でできたおもちゃなどは齧るという役割を持っているものですので、それらを齧ってくれていることはとてもよいことなのです。ハウスにその役割があるのかというと、本来は暖を取ったり、暗がりで休息したりといった意味になりますが、木製や牧草などでできたものは齧ることも含めてその役割があるといえると思います。齧りやすいものを選んでうさぎさんも齧っていますので、その好みを探っていただいて与えていただくことにもなるのです。うさぎさんにも個性がありますので、齧るという行為についても様々です。齧ることを見せない子もいますし、与えたかじり木にあまり興味を示さずにケージやほかの物を齧る子もいます。こちらのうさぎさんは齧る行為自体が生活リズムの中にしっかりと溶け込んでいるようではないでしょうか。齧ってもよい環境の中でそれらを齧っていることはあるべき姿ともいえると思います。木製タイプで齧られるものは、それを一生懸命齧ったことでささくれてしまい、ケガなどに繋がってしまう状況が見られることもあると思います。その場合は危険のない環境にしてあげることが飼い主さんの役目でもありますので、取り除いてあげることや、そのささくれを整えていただくなどの対応が必要になります。また木製品の場合は、齧る時の音や振動なども牧草類などとは異なって賑やかな場合もあります。このことが飼い主さんにとってストレスとなる場合もやはりあると思います。それでも、齧ることを止めさせることは難しいことですから、その場合は牧草やわらでできたハウスやおもちゃを与えていただくことになると思います。日頃から牧草もしっかり食べてくれているうさぎさんのようですが、齧ることを頻繁に見せるというこの行為がこのうさぎさんの個性のひとつなのだと思います。木製品とは違って賑やかな音が少ないですので、こちらで対応していただくとよいのではないでしょうか。牧草などでできたおもちゃは、あっという間に形が変化してしまうことですから、複数のものを準備してあげることも必要になるのだと思います。とてもお利口なうさぎさんのようですし、活発に過ごしている様子も目に浮かんできます。大人の仲間入りといえる年齢でもありますから、今後もたくさんの行動を見せてくれるようになると思います。本能や習性などから見られる行動は、うさぎさんが本来見せるべき行動です。その点を受け止めていただきながら、問題行動を回避できる環境を考えていただくことになるのです。今回の場合は、齧ってもよい環境でなおかつ飼い主さんのストレスも軽減できる環境がどこにあるのか、またそのアイテムを見つけて与えていただきながら、うさぎさんの行動を観察していただくことになるようです。