野生で過ごす動物は、爪切りなどを誰かが行ってくれるわけではなく、自然と爪が摩耗するような環境の中で過ごしているといえます。野生化ではなく人間と一緒に過ごす環境の中では、なかなか爪をすり減らすための機会が少ないですので、その分を飼い主さんが定期的にカットしていただくことになるのです。レンガを置くことで爪切りの必要がなくなるという点については、そのレンガをうさぎさんが使ってくれるのかどうかということにつきると思います。レンガがあるから爪切りの必要がなくなるとは単純にはいえないのではないでしょうか。掘る動作を行うことや、手足を使って遊ぶ様子をよく見せてくれる子であれば、レンガがなくても爪の先が摩耗されます。遊び上手な子ややんちゃな子などは爪の先がきれいに整っていることも少なくありません。レンガあってもあまり遊ぶような様子を見せずにのんびり過ごすことが多い子であれば、爪の先が摩耗されることは少なくなると思います。これは私の体験談ですが、トイレのしつけの一環で、ケージの隅にキューブ型のレンガ（５．６㎝角の小さなものです）をいくつか置いて、隅でおしっこをする体制にならないような環境を作ったことがあります。そうすることで、そのレンガを掘るように遊ぶ状況があり、お迎えしてしばらくは爪を切る必要がないこともありました。ただ、子うさぎから大人うさぎへと成長するに伴って遊ぶための興味も他のものへ移り、爪も伸びてくるようになりましたので、爪切りが必要な状況が生まれました。レンガを置いて試してみるということはできますが、レンガがあることで爪切りをせずに済むという環境には直結しない部分があると思います。爪切りが必要な長さに伸びていないかということは、定期的にきちんとチェックしていただくことが必要になると思います。そして、レンガを使って遊ぶような様子が見られた時、危険がないかということもよく確認していただくことが必要です。手足が挟まったりしてしまうことでうさぎさんがパニックになる可能性もありますし、そのことでケガやストレスを受けてしまうことも想定できますので、飼い主さんが見てあげらる環境の中で試していただくことが必要になると思います。