飼い主さんの生活スタイルに沿った飼育環境になりますので、食事や掃除の時間や遊ばせる時間などはそれぞれのお宅ごとで違ってくることです。そのことがご家庭ごとのルールとなるのです。うさぎは夜行性に近い動物です。正式には薄明薄暮性（はくめいはくぼせい）の動物といわれています。明け方（薄明）と夕方（薄暮）など、昼や夜ではないこれらの時間帯に行動が活発になる生き物です。食事の与え方として、休息の時間となる日中に向けての朝の食事は量を少なくして、夕方の活発になる時間帯に与える際の割合を多くするケースなどもあります。今回の場合は、夜帰宅されるまでの時間が長いですので、この時までに食べることができる環境にあるのかということを確認していただくとよいのかもしれません。成長に見合った食事となれば、与えるペレットの量も決まってきます。食べきってしまうことも十分に考えらえますので、牧草にも目を向けていつでも食べてもらえる量を与えていただきたいと思います。牧草はうさぎにとって重要な食事です。牧草好きになってもらえるよう環境を整えてみてください。そして、ケージの掃除をする時にケージの外に出てもらうということもひとつの方法です。キャリーに入れることでもよいですし、ケージの外での遊ぶ時間に掃除していただくことでもいいでしょう。環境にも慣れてきているならば、ケージ以外の環境を与えていただくこともできます。こちらのうさぎさんはとても警戒している様子が見られていますので判断も難しいかもしれませんが、体調などに不安がないようであれば一度チャレンジしてみることはよいと思います。ケージの上部が開くタイプのものであれば、そちらから抱き上げることを試してみていただくことができると思います。避難してもらうキャリーをケージ横に準備して試してみましょう。抱き上げることが不安だという場合には、うさぎさん専用の遊び場をサークルなどで仕切った環境を準備していただき、ケージの扉を開けてうさぎさんがどう反応を見せるのかを観察していただけます。飼い主さんへの警戒心が強い場合は、傍にいるだけで出てこないこともありますので、危険のない環境に整えた中に放していただいて、飼い主さんは離れた場所で見守っていただくことになると思います。ただ、この時に掃除をしようとケージに近寄ることで、自分の縄張りのケージに戻るという行動も考えられます。ケージとは連結しない遊び場にするならば、やはり抱き上げる行為も必要になってきますので、いずれにしても抱っこするという行為を試すことからは逃れられないことなのかもしれません。これから掃除の時間だということを飼い主さんから発信していることですし、またそのルールを受け入れてもらうわけですから、このこともしつけとなるのです。理由のある抱っこですので、そのことをうさぎさんにも認識してもらいましょう。そして、新しい環境にまだ慣れていないことで、食欲が先に立っているような印象もあるようですので、少しでもうさぎさんの興味を引く環境となるように、美味しい牧草やおもちゃなども与えてみていただきたいと思います。一日の中で一緒にいる時間が短い状況でもあるようですから、その分仲良くなるには日数も必要なのかもしれません。お互いのペースも理解しながら、ゆっくりと距離が縮まるケースもありますので、焦らずに取り組んでいただきたいと思います。