飼い主さんの在宅時に、うさぎさんが過ごす環境に変化をつけるということでもあると思います。普段と同じ縄張りではあっても、その中で過ごす時間が長くなるということは、これも環境の変化として捉えていただけることです。うさぎにとっては、毎日同じリズムの中で、穏やかに過ごすことがよい環境といえるのです。飼い主さんのお休みが定期的であって、そのリズムをうさぎさんも認識してくれるようならば、この環境が日常の一部といえる場合もあります。この時、うさぎさんの性格なども反映してくると思います。縄張り意識が高く自己主張も強い、いつでもケージの外に出たい素振りを見せるといった子の場合は、長時間遊ぶことができることを体験することで、毎日その環境を与えてもらいたいと要求してくることが考えられると思います。飼い主さんが与えた環境が理由となって、問題行動に発展する可能性がありますから、よく考えて判断していただくことが重要だと思います。制限があることで、飼い主さんとの関係性を保つことができることもあります。放し飼いという環境を与えることで、うさぎさんにとっての本能がより働くことになれば、縄張りを拡大したい、自分の強さを示したいといった行動が見られることもあるのです。ケージの外に出してほしいという表現を見せることもありますし、出たいのに出られないといったことがストレスとなることもあります。今回のお宅では、今与えている環境でも十分な広さと時間を与えていらっしゃると思います。その中でうさぎさんとの関係性がとてもよい状況なのであれば、実はこちらのご家庭にとって今がベストといえる環境なのかもしれません。もちろん、長い時間遊ばせたいという気持ちが強い場合は、その環境を与えて観察していただくこともひとつの方法です。ただそのことでうさぎさんの行動に変化が見られることもある、縄張りの使い方が変わるということもあると覚悟していただくことも大切です。その場合の対応が必要になることもあると認識していただくことも必要なのだと思います。うさぎさんに与える環境は本当にご家庭ごとで違っています。うさぎさんの性格や飼い主さんの生活リズムなどを考えていただきながら、よりよい環境を見出していただきたいと思います。