ケガと通院を体験していることで、うさぎさんを取り巻いている環境が変わってきているようです。10年間一緒に過ごした時間を経て、今この変化を体験していることで、飼い主さんに対しての気持ちや表現の方法などにも変化が見られてきているのではないでしょうか。はじめは突発的な行為だったのかもしれませんが、そのことに飼い主さんが答えてくれたことで、安心できたのだと思います。その状況がうさぎさんにとってとてもリラックスできたとなれば、催促するようになっても不思議ではありません。私にも経験がありますが、それまでは全く甘えるという表現を見せない子だったのに、高齢になり介護を行っていることで、ありがとうの言葉なのか、傍にいてくれてうれしいという言葉なのか、傍にすり寄ってきたり手を舐めてくれるなどの表現をしてくれました。今回の状況からは、甘えている、傍にいてほしいという気持ちから見られているのではないかと感じます。これらの行動を見せた後にどううさぎさんが過ごしているのかを見ていただくことで、どう対応してあげるとよいのかということも見えてくると思います。どういった意味がある行動なのかということは、その行為の前後のうさぎさんの様子まで見ていただくことが大事なのです。そして飼い主さんがどう受け止めているのか、その状況にうさぎさんが納得していなければ行動を繰り返すことや、また別の行為で気持ちを表現してくると思います。長い年月を一緒に過ごしてきた仲でもあります。このひと時も貴重なコミュニケーションのひとつだと思いますので、大事にしていただきながら、うさぎにとってより優しい環境の中でゆったりと過ごしてもらえるよう環境を整えていただきたいと思います。