骨折の場合、うさぎさんの動きを制限するためにケージレストという対応をとります。折れた部分の骨が自然と付くような環境を作っているのです。行動範囲を制限することで、無駄に動きまわることができなくなるために、骨が付きやすい環境を与えてあげられるのです。これまでの環境との違いを体感している状態ですので、骨折による痛みや辛さに加えて、動くことができないといったストレスもあるのかもしれません。ですが、早く良くなるためには必要な環境ですので、うさぎさんにも受け入れてもらうことが必要なのです。お互い辛い日々ではあると思いますが、頑張っていただきたいと思います。体重については、確かに運動できないことで消費されるカロリーに違いがあることですから、これまでと同じ量の食事ならば体重が増えると考えらえることです。また年齢的にも大人といえる時期にも入っていますので、今一度ペレットや副食の量が適量かということを見直していただくこともよいのではないでしょうか。骨折という変化からではなく、この時期だから見られている体重の増加ということもあるのだと思います。ホーランドロップの標準体重は１.８㎏です。ペレットはこの体重の３％の量が一日に与える量となります。（この量を朝夕に分けて与えます）また、それぞれのうさぎごとで適正体重があります。品種による体重よりも、個体ごとで違うこの適正体重がわかるならば、その体重を指標としてペレット量を換算していただくほうが、よりその子にあったペレット量を見出していただけます。また、量だけではなく、ペレットそのものの見直しということも考えていただけることでもあります。太りやすいという状況が考えられるならば、カロリーの低いペレットに切り替えていただくこともできるのです。牧草に関してはアルファルファ牧草は栄養価が高いですので、今の行動を制限している時期だけは量や与える頻度を見直していただくこともできると思います。そのほかサプリメントについては、それぞれの与える量をしっかりと守っていただければよいと思います。ただし、サプリメントにもカロリーがありますので、ペレットを制限していても体重に変化がないという時には、より低カロリーで同様の効果が得られるものにチェンジしていいただくこともひとつの対応策にはなるのかもしれません。ペレットの量が多かった場合は、その量を見直していただくことだけでもだいぶ違いがあると思います。ペレットの量を制限した場合は、牧草で食欲を満たしてもらえるように、いつでも食べられる環境にしてあげてください。チモシー牧草以外でもイネ科の牧草であれば食べ放題で与えていただけますので、数種類与えていただくことでも食の幅が広がり、いろいろなものを選んで食べることができるという満足感をうさぎさんに与えてあげられるのかもしれません。そしてケージの中で飛び跳ねてしまう行為については、その行動が見られた時に声を掛けてあげる、気にかけてあげることで大人しくなるようならば、飼い主さんの方から接していただくことのほうが、ケージレストという状況に沿うのではないでしょうか。かまってもらいたいという気持ちから見せている動作であれば、飼い主さんが来てくれると認識して、同じような状況を見せるようになる可能性もありますので、判断が難しいところもありますが、うさぎさんの様子をよく見ていただきながら判断していただくことにもなるのだと思います。体重の変化やケージでの様子なども、かかりつけの獣医師にも是非ご相談ください。実際のうさぎさんを知っていてくださる方ですので、より的確なアドバイスをいただけることだと思います。一日でも早く良くなることをこちらでもお祈りしております。