ケージの外の世界を知ったことで、うさぎさんの興味がその縄張りや、その中で過ごすことに向けられていることもあるのではないでしょうか。お年頃を向かえる時期ともいえる月齢ですので、自我を見せ始めてきていると捉えられることもあります。サークルに放している時のうさぎさんの様子はどのような感じですか？サークルの中に飼い主さんが入った時にはどういった反応を見せるのかということも試してみてもよいのかもしれません。もちろん、遊びに夢中になっている時に同じ環境の中にいても、飼い主さんには目を向けずに過ごすことも予測できることですが、遊び疲れた後にどういった様子を見せるのかということで、興味を示してくれているのかどうかが見えてくることだと思います。また、サークルの中に入らずとも、縄張りの探索やひと遊びした後のうさぎさんの様子がどのようなのかを観察していただくことも大切です。ひとしきり探索したり、遊んだりを終えた後、おやつを与えていただくことでも、お互いの距離を縮めてもらえるひとつのチャンスといえると思います。ただし、撫でる、触るといった気持ちが全面に出てしまっていることで、うさぎさんもその飼い主さんの気持ちを察して逃げなくちゃと警戒することもあるのかもしれません。触られることから逃げるということは、その前後にあまりよい印象が残っていないということも考えられると思います。うさぎさんの気持ちとは反対で、今は撫でられたくなかったのにということや、抱っこの練習をしたりと、うさぎさん側から見た時に避けたくなることがあったりしていませんでしたでしょうか？このあたりも思い返していただきながら、今後の対応を考えていただくことも大切だと思います。大人の仲間入りをする年齢に向かって成長している時でもあります。うさぎさんの気持ちも尊重していただきつつ、しつけを行うことになるのです。撫でる、触るという行為は、必要性のある抱っこを行う場合にも避けることができないコミュニケーションです。飼い主さんの手を見て警戒してしまうことがないように考えて対応してみていただきたいと思います。ご褒美を与える時、食べてしまう前にうさぎさんとコミュニケーションが取れないかをチャレンジしてみてください。ご褒美を差し出した手とは反対の手で、うさぎさんの頭や顔よりも下の位置から手を差し出してみることで、警戒心も和らいでいる傾向があると思います。頭の上から伸びる手などには警戒してしまうことがありますので、そうではない環境で試してみていただきたいと思います。そして、牧草もおやつ（ご褒美）に加えていただくとよいと思います。チモシー牧草ならば制限なくたくさん与えていただけますので、普段与えている牧草に加えて複数の牧草を用意していただきながら、手から与えていただくことも試してみていただきたいと思います。牧草以外のおやつの場合は、与える量をしっかり管理して、与えすぎとならないように気をつけていただきたいと思います。うさぎさんが見せる反応や行動は、取り巻く環境でも違っていますし、うさぎさんの性格などでも異なっていることです。飼育書通りにはいなかいこともたくさんあると思いますが、この試行錯誤することさえも楽しむことができる気持ちを持って接していただくこともとても大切なのです。飼い主さんの気持ちはうさぎさんに伝わっています。気が重いという気持ちを払拭して接していただくことも大事なのだと思います。そしてどうしても必要になってくる抱き上げる行為や、抱っこして体のチェックやグルーミングを行うという時には、うさぎさんにも受け入れてもらうことが必要になります。その時には飼い主さんの威厳を見せられるように、気持ちをしっかりもって接していただくことも重要なのです。このことがしつけといえることですので、そういった場面の時には躊躇せずに接することができるよう、ぬいぐるみなどでシュミレーションしておくこともよいのだと思います。まず今できることは、うさぎさんがどういった気持ちで行動しているのかを、うさぎさんの様子をじっくり観察して探っていただくことなのだと思います。