うさぎさんをまだお迎えしたばかりの環境です。飼い主さんはうさぎさんに嫌われてしまったような気がすると感じているようですが、手を避けていたり、嫌ったりしているならば、飼い主さんの手から直接食べるということは見せないことだと思います。美味しいものに釣られてとはいっても、頑なに拒む子もいるのですから、その点から考えると飼い主さんをちゃんと理解していてくれているといえるようではないでしょうか。抱っこから逃げるようになったということは、うさぎさんも自分の気持ちを主張してきているといえるのだと思います。様子を伺ってされるがままということではなく、うさぎにとって苦手な抱っこを、やめてほしいなと思ってその気持ちが行動に出ているのとも感じられます。ケージの出入りの抱っこをしっかり行えている状況ですから、この点は大変重要だと思います。抱っこされる、抱っこすることにお互いが慣れる状況を作っているといえます。今後も外に出るには抱っこされなければ出られないと認識してもらいましょう。そしてブラッシングに関しては、うさぎさんの普段過ごす縄張りとは別の場所でトライしてみてください。普段とは違う場所になることで、その場所に気を取られますので、比較的大人しくなることがあります。グルーミング場所を事前に決めていただいて、その場所には道具などもちゃんと準備して、より短時間で終わらせてあげられるように環境を整えていただくことも重要です。そしてグルーミングを終えた時にはご褒美も忘れずにあげましょう。苦手なことの後にはちゃんといいことが待っていると覚えてもらうことで、この行為を受け入れてくれるようになります。そして、ご馳走を持っていない時の飼い主さんの手に、捕まえられるといったイメージを持ってしまわないように、抱っこをチャレンジしない時でも、そっと側に寄り添って話しかけてあげることや、牧草を持ちながら接触してみたり、手を差し出してなにもしないからねと、ただ距離を縮めるためのコミュニケーションも取っていただくこともよいと思います。どういった反応が見られるのかを観察していただいて、少しずつお互いの距離を縮めていただくことができることだと思います。一緒の生活はスタートしたばかりですから、まだまだこれからたくさんの行動が見られるようになります。うさぎさんが何を感じて見せている行動なのかは、その行動ひとつだけではなく、うさぎさんを取り巻く環境全体を観察していただくことで、その行動の意味が見えてきますので、どうぞよく観察していただきたいと思います。その時はうさぎさんも飼い主さんを観察しているはずです。焦らずにゆっくりとお互いを知っていただきたいと思います。