舐めるという行為は、その物が何であるのかを確認している場合にも見せることだと思います。また、その物自体は認識していて、舐めるということで自分のものだということを表現していたり、大好きだから舐めてしまうということもあることだと思います。そして、この舐めるという行為も、習慣化することがあります。その物を目の前にすることで、舐めるということにスイッチが入るかのように、延々と舐めることを見せる場合も少なくありません。今回の場合は、グルーミングの際の飼い主さんの洋服と、うさぎさんが過ごす場所にあるクッションを舐めるという決まった場面だけのようです。グルーミングの場合には、もう止めてほしいといった気持ちがある時に、飼い主さんを舐めたりしてその気持ちを訴えることがあります。また、ブラッシングされていることが自らがグルーミングしていると感じてしまっているのか、舐める行為を見せる場合もあるようです。どういった状況で舐めてきているのかを今一度よく観察していただくことで、その言葉の意味のヒントが見えてくるかもしれません。また、クッションはお気に入りの場所などであれば、自分のにおいをつけるという意味でも舐めることだと思います。布製品を舐めるという行為自体も、うさぎさんはよく見せることではあります。素材感なども気にいっていれば、その行為をとめるまで舐め続けることもしばしばあります。どういった表情で見せているのか、こちらももう一度観察してみてください。今回のうさぎさんは齧るのではなく、舐めるという行為でとどまっていますので、早急に行動を静止する必要はないことではあります。ただ、行動がエスカレートして齧ってしまうようになる可能性も残っていることですので、あまり長く同じ行為を見せている時には、我に返してあげるためにも、その行動をとめてあげることも必要になるのだと思います。また、食欲や排泄の状態などと、与えている環境全体も見返してみていただいて、不安がある時には獣医師にもご相談いただくことも大事なことです。見られる行動の変化には、うさぎさんからのサインが隠されていることもありますので、そのサインを見逃さずに過ごしていただきたいと思います。