８歳さんということですので、加齢による体の変化などが見られてきているようです。今回の飼い主さんは、普段過ごすケージの見直しが必要なのかということをお考えのようです。白内障、斜頚を患っていることと、足の筋肉も弱くなってきているようですので、より快適に過ごすことができる環境をと、考えていらっしゃいます。まずトイレについて、その場所が決まった所ではない環境となっていますので、体が汚れないという観点から考えると、排泄物がすぐ下に落ちてくれる金網タイプのすのこが適していることではあります。ただし、足に負担がかかっている印象があるということですので、木製のすのこや介護マット、もしくは吸水性の優れたペットシーツなどの環境も選択肢として上がってくることだと思います。齧ってしまうことをよく見せるうさぎさんの場合には、誤飲につながってしまう環境となってしまいますので、マットやシーツは適していないと言わざるを得ません。その場合には木製のすのこでどういった反応を見せるのかということになのだと思います。この年齢と白内障の症状があることで、環境を変えてよいのかという不安があることだと思います。見えにくい環境でも、これまで過ごしてきている環境の中だからこそ、その縄張りを熟知して快適に過ごす姿が見られるのです。それでも、今回の場合には斜頚という病状も見られていますので、自分が思ったように体を動かせない状況も見られているのだと思います。どういった視点で考え環境を与えるのかということでも、全く異なった環境を与えることもできるのだと思います。普段過ごすうさぎさんの様子を観察していただいて、どのような環境ならば楽に過ごすことができているのか、どういった環境だと苦手なようなのかを見つけていただくことで、このうさぎさんに合った環境を与えていただくことができるのだと思います。ケージから出てくる時の状況に心配や不安があるようですので、この時だけは飼い主さんがうさぎさんを出してあげるということもよいのではないでしょうか。ケージについてのご質問が、床面以外には出入りについての不安となっているようですから、単純に考えると出してあげるという方法を取っていただくことで、その点はクリアできるといえるのだと思います。決まった時間に決まった場所で遊ぶことだと思いますので、その時が来たら飼い主さんがお手伝いをしてあげることができます。段差を登ったり降りたりするという運動も、弱った筋肉を働かせることではあると思いますが、危険や不安があるまま過ごさせるよりは、その危険を排除してから安全な環境で好きなように過ごさせてあげることができるのだと思います。ケージを変えてあげることももちろん試していただけることです。より快適な環境を与えてあげられる時にはその選択が正解といえると思います。その場合にはレイアウトなどをこれまでとなるべく同じになるようにしてあげることで、エサ入れや給水ボトルなどの場所を迷わずに理解してくれるかと思います。また、新しい環境に慣れてくれるまでは、なるべく側にいて見守ってあげることも大切です。環境が変わったことを受け入れてくれているのかということを、しっかりと見てあげていただきたいと思います。うさぎさんそれぞれで、これまで過ごしてきた背景が異なっていますし、取り巻いている状況にも違いがあります。高齢のうさぎさんにはこの環境と、一言では言い切れないことが大きいですので、試行錯誤されることになってしまうかと思いますが、うさぎさんの症状や性格、そして見られている行動なども考慮していただきながら、よりよい環境を導いていただきたいと思います。