８年目のうさぎさんですから、ご長寿さんといえるようです。抱っこという頭を悩ませる点があるようですが、８年間を無事に過ごしてきているということは、うさぎさんを取り巻く環境がこのうさぎさんにとって適しているといえることなのだと思います。抱っこについても、お母様がおっしゃっている「慣れているから」という解釈も、実は一理ありといえる部分もあるのかもしれません。普段からむやみに抱っこするのではなく、ケアのために必要な抱っこを行っているということなれば、うさぎさんもそのことを認識している可能性があると思います。本能から抱っこが嫌だということは、うさぎの特徴のひとつともいえます。それでも、抱っこしてケアされることが定期的にあって、そしてそれを行う人がいつも決まった人となれば、嫌々ながらも、終いにはそれを受け入れているとも解釈できるのではないでしょうか。もちろん、抱っこするまでの流れを、お互いがストレスなくできる環境を作っていただくこともとても大切なことです。逃げるうさぎさんを追うのではなく、逃げられない環境の中で抱っこすることだけでも、うさぎさんのストレスを軽減できることにつながります。お母様の抱っこの方法などもよく見ていただきながら、どうするとよりよいのかを導いていただくことはできるのだと思います。こうしてほしいという状況をお二人で確認しながら抱っこに取り組んでいただくことはとても重要なことだと思います。加齢により、骨の密度などにも変化があると考えらえますので、ちょっとしたことでも骨折などの心配も生まれてきます。若い頃と同じように接してしまいがちですが、そうではないということも合わせてお話されるとよいのかもしれませんね。お母様が、うさぎさんにとっての苦手なことを担当してくれているならば、そうではない飼い主さんんが愛情たっぷりで接していただくことで、バランスも取れるのかもしれません。苦手なことでも必要なことがあるということは、しつけともいえることです。その苦手なことに付き合ってくれたあとには、ご褒美があると関連付けていただくことでもストレスを軽減できますので、撫でられることが好きならば、たっぷり撫でてあげることや、牧草やおやつなどを与えていただくことができると思います。どうしてもお母様の抱っこがストレスになっていると感じる時には、ケアの担当は私がするからと、そのことをお母様に受け入れてもらえるようにお話し合いをされることが必要なのかもしれませんね。そして後ろ足の一部分の毛が薄くなって皮膚が見えている状況があるようですが、その見えている皮膚に炎症などがないか確認していただくことは重要だと思います。ブラッシングなどによる刺激や、うさぎさんが自ら舐めてしまうことなどでも、毛が薄くなってしまうことがあります。また、皮膚にトラブルが起きて毛が抜けたり、炎症を起こしたりすることもあります。年齢が年齢ですから、若いときとは違った体のサイクルなども見られていると思います。本来であればすぐに生え変わる毛も、加齢により時間がかかっていることなど考えられるのかもしれません。病気の可能性がないかということをきちんとお調べいただくことは大事なことだと思います。炎症などが見られる場合にはすぐに獣医師に診ていただくことがよいと思います。炎症などはないという場合ならば、注意深くうさぎさんの行動を観察していただいて、次の診察の時にご相談いただくとよいと思います。また加齢による足腰の変化も感じられているようですので、この点についてもご相談いただくことがよいでしょう。ご自宅でも環境の見直しなどはできるのだと思います。段差のない環境がより優しい環境となりますので、今一度うさぎさんを取り巻く環境全体を見回していただきたいと思います。