うさぎさんが普段とは違う動作を見せたということですので、その時とその前後の状況を見つめ直していただくことで、その意味が見えてくるようになります。今回は、飼い主さんが物を取ろうとしゃがんだ時に、うさぎさんの目の前に現れた膝に対して噛むという行為が見られたようです。この前後の背景としては、部屋の模様替えがあったこと、新しい洋服をまとった飼い主さんであったこと、カーペットに香りがついていたなどがあるようですね。年齢的に自我を表現する行動も見せても不思議ではありませんので、こういった取り巻く環境の変化が後押しとなって、いつもとは違った行動を見せたということも十分に考えられることだと思います。物を取ろうとしてとありますが、その物がうさぎさんにも関係しているものであれば、自分の物を取り上げられる、縄張りを荒らされると勘違いしてしまい、抵抗しようとしたということも考えらえるかと思います。またカーペットの香りについても、飼い主さんが付ける香りに満ちていたならば、この場所も自分の場所だと主張しなくては！というスイッチが入ったという可能性もあるのかもしれません。また、飼い主さんがしゃがんだ体制が、うさぎさんにとって怖いなどのあまりいい印象がなかったりした場合、噛むという行為で自分を守ろうという行動に出る場合もあります。この噛まれた状況のあとに、警戒心が強くなっている様子が見られていますので、叱られたことに対して次もある？とその時と同じ状況がないか、周囲を注意深く観察しているのだと思います。うさぎは頭が良いですから、悪い記憶なども深く印象に残していることがあります。押された飼い主さんの手などもそういった意味で捉えているようですと、今までは撫でられるための手だったものが、そうではないと受け止めていて、警戒する素振りを見せていると考えられるようでもあります。足ダンと呼ばれるスタンピングは、仲間などに危険などを伝えるためのシグナルです。ペットうさぎの場合には、飼い主さんに対して見せるサインといえると思います。普段とは違う何かを察知してそれを伝えようとしていたり、その場での気持ちを伝えていることもあります。飼い主さんが横になっているそばで見せているならば、その場所からどいてほしいなどの意味とも捉えられることなのかもしれません。放し飼いの環境という場合は、年齢的なことも加え、より縄張りの主張を見せるようになりやすい環境ともいえるのです。ケージに戻す時にも一苦労されているようでもありますので、ケージから放す環境を、うさぎさん専用の場所となるように、サークルなどを使ってある一定の範囲に制限していただくことがよいと思います。そうすれば、ケージに戻す時にも無駄に追い掛け回すことをせずにすみますし、ケージへ追い込むことや、抱き上げるという状況も作りやすいといえると思います。遊ぶ時間が決まっていますので、そのルールはうさぎさんにも受け入れてもらわなければいけません。その時に、的確な対応ができることで、うさぎとの関係性も築き上げられてきますので、ここ！という場面では飼い主さんの威厳を示すことができるような環境つくりを目指していただきたいと思います。またそうはいっても、警戒心が強くならないように、しばらくは慎重に対応していただくことも大事だと思います。飼い主さんとの信頼関係がこれまでと同じになれば、見られる行為にも変化が出てくるといえると思います。