お迎えされた環境にもだいぶ慣れてきているようですので、うさぎさんもその環境の中で自分の好きなように過ごす術を見出してきているのかもしれません。うさぎは縄張りを持つ動物ですが、行動範囲に制限がなくなることで、より自分の縄張りを主張してくる行動を見せるようになります。ケージの中だけではなく、その外の環境にも、自分の居場所や使い道を見つけるのです。あちこちでトイレをしてしまうことには、縄張りの使い方がこれまでとは異なってきている場合と、より自分をアピールするために見せている行動として捉えていただけると思います。ケージの中のトイレや、ケージの外で過ごす時のトイレが決まっている場合には、その場所がそれぞれのトイレとして縄張りを認識しているときでもあります。今回の場合には、その環境が変わってきて、ソファーや飼い主さんに対しておしっこをして見せるということですから、自分の優位性（強さ）を示す行動として見せていると考ええられることではないでしょうか。自分以外のにおいがあるところの代表として、ソファーやベッドがあげられます。飼い主さんのにおいがする場所へ、自分のにおいをつけて、自己アピールしていると解釈できることだと思います。自分の場所だぞ、自分の方が偉いぞと主張している行動と捉えていただけると思います。そして飼い主さんに対しても同様の行為を見せていますので、かなり進行しているとも考えらえるかと思います。この行動を容認してしまうことで、上下関係が逆転してしまう可能性もあると思います。そうなってしまうとわがまま放題の状況が見られるようにもなりますので、今のうちに環境を見直していただくことが必要だと思います。飼い主さんと同じ環境の中で過ごさせることは、自分も飼い主さんと一緒だ、いや自分の方が強いかもと勘違いさせてしまっている環境を与えていることになるのです。うさぎさんとの関係性を改めるためにも、うさぎ専用の遊び場を与えていただくことが必要なのです。サークルなどであらかじめ仕切った環境を与えていただきたいです。その中では好きなように遊ぶことができる環境に整えていただいて、うさぎさんだけのお城を作ってあげるとよいのです。年齢を重ねていくことで、思春期特有の行動なども見られるようになります。においつけなどもより頻繁に見られるようになる場合もありますので、専用の場所では汚れても慌てないで対応できる環境に整えていただくと、飼い主さんの落ち着きのある行動に、うさぎさんも一目おいてくれることにもつながるのだと思います。抱っこも嫌がる素振りを見せ始めているようですので、必要性のある抱っこを実践で行っていただくこと、ここと思ったときには躊躇せずに最後までやり遂げるという強い気持ちも重要になってきます。うさぎとの生活が始まったばかりですから、これからもっとたくさんの行動を目にすることだと思います。うさぎさんの行動は言葉でもあります。その言葉には、うさぎさんを取り巻く環境と、接している飼い主さんの行動などから読み取ることができますので、今一度環境を見直していただきながら、何を伝えようとしているのかをよく観察していただきたいと思います。そして、いけないことをしたときの叱り方としては、時間を置かずにすぐその場で叱ります。うさぎの行動を止めて、目をしっかりみて、いつもとは違う声の強さなどを強調して、コラ、ダメ、いけません、などと言い聞かせてあげることでよいと思います。床を強く叩くなどの方法を取る場合もありますが、要はうさぎさんにいつもと違うことをされていると認識させることが必要なのです。また遊ばせているときなどであれば、一旦ケージに戻すという方法もよいでしょう。そのことが繰り返されることで、なぜケージに戻させれているのかということを、理解してくれます。うさぎの場合には、人間が発する言葉だけを理解するのではなく、その前後に関係する行為によって理解しますので、そのあたりを頭に置いていただきながら行動していただくとよいと思います。逆によいことをしたときや、抱っこを上手にできたときなどには、褒めてあげることもとても重要です。