お母さんうさぎの子育ては、順調に行われているようですね。飼育環境に関しては、母親うさぎが神経質にならないように気にかけていただくことはとても大事なことです。出産準備がままならなかったという状況があったようですので、慌てて環境を変えるということではなく、その状況に合わせてあまり環境を変えずに見守っていただいたことは賢明な対応のひとつとして捉えていただけることだと思います。生まれてからまもなくひと月を迎えようとしていますので、赤ちゃんもすくすく大きく成長していることでしょう。順調に体重や体格が成長していることが確認できるならば、今の環境に順応して成長してきたといえると思います。ただし、朝晩など気温が下がることもありますので、その時に寒そうにしていないかということを確認していただくことは必要だと思います。場合によってはハウスなどを取り入れていただくこともよいと思います。また、この時期であればそろそろ離乳を開始する時でもあります。今はまだお母さんうさぎと一緒でよいですが、独り立ちできる環境を徐々に作っていただくことになります。別のケージを準備していただいて、まずは日中の短い時間母親と離すことから始めて、その時間を徐々に長くしていき、最終的には別ケージで子うさぎだけで過ごせるような環境を与えていただきます。この時に、ハウスを取り入れていただくことでもよいと思います。また、里親さんへお迎えされる子達ということですから、今からその環境を考えていただくことも大切だと思います。縄張りの使い方を理解してもらうためにも、子うさぎさんのケージにもトイレも取り入れていただきますし、もちろん飲み水用のボトルやペレット入れ、牧草入れなども取り入れていただきます。また床面はすのこが敷かれている環境が望ましいことではあります。金属性でクッション性のあるすのこが適しています。おしっこの場所が決まらない環境でも、うさぎさんの体や足裏などが汚れにくい環境を与えてあげられます。また、うさぎさんの体の大きさによっては足の大きさとすのこの間隔が不安な場合があるかもしれません。その時はプラスチック製や木製のすのこを取り入れていただくことで、安心できる環境を作ってあげられます。子うさぎが母親うさぎのまねをして、ペレットや牧草を食べ始める状況が見られることだと思います。授乳も行っていた母親うさぎは、十分な栄養を必要としていますので、ペレットもいつもよりも多く与えていただくことでよいのです。餌入れにあるペレットに子うさぎも興味を示して食べる真似をしてみせますので、そういった姿が見られるようになれば、離乳に向けてのスタートといえるかと思います。水の飲み方についても、母親うさぎの動作を見てボトルから飲む様子を見せますので、その時にあまり高い位置にノズルがあるようですと、真似することができませんから、少し位置を下げていただくことでもよいと思います。もしくは、子うさぎ用のボトルを一緒に設置していただくことでもよいと思います。水がここから出るということを覚えてもらうために、飼い主さんが子うさぎさんの目の前でノズルを指で押しまわして見せてあげることもよい方法です。里親さんへお渡しする時には、ひとりで食事も取る事ができるようにしてあげなければいけませんので、少しずつそうできる環境を作って見守っていただくことが必要です。