うさぎさんをお迎えする前に、どういった飼育環境の中で過ごすことになるのかをお考えいただくことは、とても大切なことだと思います。大変うれしいご質問です。うさぎはストレスに弱い生き物でもありますから、より快適に過ごすことができる環境を与えてあげられるのかということを、考えていただくことはとても大事なことです。うさぎにあった飼育環境の温度は、１５℃位から２５℃、２６℃位までが許容範囲とされています。繁殖時や病気の時などは２３℃位に保つ事がよりよいようで、湿度は常に４０～６０％が理想といえます。ただ、書籍によっては、湿度が３０～７０％という紹介もされているようですが、この場合は室温が１６～２１℃の範囲であることが保てた場合ということでもあるようです。（書籍ザ・ウサギ参照）今回のお宅の場合には、エアコンを取り入れることができない場所となるようですので、よくお考えいただくことは必要だと思います。飼い主さんやご家族が常にご自宅にいらっしゃる環境であるならば、その都度対応できることもあると思いますが、お留守番の時間があるという場合には、ある程度の環境を保つことができるようにしていただくことが必要になってきます。その点エアコンは、室温や湿度の管理がわりと容易にできるものではありますが、それが無理であるということですから、どういった環境を作ることができるのかということなのかもしれません。冬場は電気を使った暖房を取り入れることができることだと思いますが、問題は夏場といえるのかもしれませんね。除湿機や扇風機などでどのぐらいの環境を作る事ができるのかということだと思います。それぞれのお宅ごとで、部屋の向きも違えば、入ってくる陽射しにも変化があります。また窓まわりに暑さ対策となるグルーンカーテンやよしず、すだれなどを取り入れていただくことも効果的ですし、遮光カーテンもひとつの選択となることではあります。ただ、遮光カーテンを取り入れることで、部屋の温度が下がったとしても、一日中暗い中で過ごさせてしまうということも考えていただくことが重要だと思います。通常の動物は、外に出て日の光を浴びることで、カルシウムを吸収できるようにホルモンを合成します。うさぎの場合はこの必要があまりないと言われていますので、この点からいえば暗い中で過ごしてもよいのではないかと思われますが、それでも日光浴などもうさぎに必要であるという声もあります。カルシウムの吸収ということのほか、体内のリズムやホルモンバランスを整える意味では、自然を感じながら生活させてあげることも大事なことなのだと思います。飼育環境を快適にという目的があることでも、やわらかな陽射しも感じることができる環境もうさぎには必要であるのだと思います。湿度が高めのお部屋のようですので、除湿機を取り入れていただくことで、どの程度まで環境がかわるかということを確認していただくことは必要ではないでしょうか。学校飼育などのうさぎの場合は、室外で生活しているわけですので、外気温と同じ環境の中で過ごしています。この場合でも、その環境の中でできる対策を取りながら、うさぎが涼しい場所を選んで過ごすことができるよう環境を整えているといえるでしょう。飼育することが難しい環境とはいえることなのかもしれませんが、どのような環境を与えることができるのかということを十分に考えていただいて、ご判断していただくことになるのだと思います。またお迎えするうさぎの年齢や性格であったり、お迎えする時期なども考慮していただくこともできると思います。子うさぎさんからお迎えするのであれば、体の成長が安定してきた時に夏を向かえる季節がめぐってくるようであれば、お迎えされた環境にも十分に慣れてきているでしょうから、ストレスを感じる要因も少なくなるといえるのかもしれませんね。