いずれのうさぎさんもご長寿さんのお宅ですね。与えている環境とうさぎさんの個性などがぴったり合っていること、また飼い主さんもうさぎさんの変化を見逃さずにしっかり対応されているからこその今の状況があるといえるのだと思います。見習いたいところでもありますね。さて、まず毛づくろいについてですが、皮膚疾患などの疑いもないということですので、まずはこの心配は取り除くことができるようです。うさぎは行動を習慣化させることも多く見せますので、換毛期などにお手入れを頻繁に見せていた行為が、習慣となって残ってしまっている可能性も考えられると思います。また、環境の中の湿度が高いという状況も関係しているのかもしれません。年齢を重ねてきたことで、環境の変化を敏感に感じるようになることもあります。ちょっと前までは平気だったのに・・・ということもあるほどなのです。湿気についても、なんだか快適じゃないなとストレスを感じているのかもしれません。気を紛らわせるために毛づくろいを行っていることなども考えられると思います。湿度がどの程度であるのか、また室温と合わせて今一度確認していただくことも大切だと思います。そして、他に気が向くように、おもちゃや牧草などを与えてみていただくこともよいと思います。習慣を断ち切ることができるように、グルーミングをするという以外にできる環境を与えてみて様子を観察していただきたいと思います。次に、牧草についてですが、加齢によって食の好みも変わってくることもあります。牧草もよりやわらかい部分を選んで食べるということは、十分に考えられることだと思います。比較的柔らかい牧草が多い２番刈りを与えていただくことでもよいですが、１番刈りをよりおいしそうに食べるという状況があるようですので、選んで食べることではあっても１番刈り牧草も十分に与えていただきたいと思います。残してしまうような部分は、叩いて繊維を少し砕いてみるなども試してみてください。手をかけた分興味を示してくれるかもしれませんよ。また、こちらの牧草を８歳のうさぎさんに与えてみるということもできると思います。おもちゃがわりに興味を示してくれるようなら、一石二鳥といえるでしょう。固めで長めの牧草は、飼い主さんとのコミュニケーションにも使えることができます。ひっぱって投げるという行為も楽しんでいるようならば、飼い主さんとの遊びの中のアイテムとして使っていただくことも楽しいことだと思います。牧草はうさぎにとってとても重要な食事です。いつでも好きな時好きなだけ食べてもらえる環境を与えていただきたいですので、今後も積極的に与えていただきたいと思います。ひと種類だけではなく、複数の牧草を与えていただくこともとてもよいことです。加齢によって食が細くなってくる場面も見られるようになることを想定して、その時にいろいろ食べられるものが増えている環境がとても好ましいことなのです。また牧草には期間限定で出回るものもあります。旬の牧草にはたくさんの魅力がありますので、こちらも是非これまでの牧草に合わせて取り入れていただきたいと思います。