甘噛みの状況も見られていた中で、さらに噛む行為がエスカレートしてきている状況のようです。またこれまでに甘噛みの行為を繰り返して見せていたということとも解釈できますので、うさぎさんにとって噛むという行為がひとつのコミュニケーションとなっている可能性もあるのではないでしょうか。うさぎさん側に噛むことで叱られるという認識があまりないことで、こちらの意図とは反して噛む行為を容認してしまった状況とも捉えられるのだと思います。うさぎは行動を習慣化させる動物ですから、突発的な行為であってもそれがいけないことだとの認識が少なければ、その行為を続けて見せることにもなると思います。習慣となることでその行為がだんだんとエスカレートしてくることもあります。また、制限のない環境の中で過ごすことで、飼い主さんとうさぎの上下関係が乱れやすいことも傾向として見られるようです。お話しを拝見する上では、ベッドの上もよくのるということですから、広範囲の縄張りを持っていると捉えられます。またその場所での行動に、習性や本能といえる行為も見られているともいえます。その延長で噛むという行為を見せているということですから、この場所も自分の縄張りだという主張とも捉えられるのではないでしょうか。また、飼い主さんが自分の方へ関心がないような場面でも噛んでくるようですので、かまってほしいという気持ちが、噛むという行為へと発展してしまっていることも考えられると思います。噛む行為はいけないことだと教えるには、行動を制限するということを合わせて対応していただくとよいと思います。あごのせの対応も、行動を制限して上にのる方が強いと認識させる行為ではあるのですが、うさぎさんがそういった意味で捉えていないようですので、別の方法も必要なケースといえるのだと思います。行動を制限する方法にケージへ戻すということができます。部屋んぽの時間帯であっても、飼い主さんにとっての問題行動があった場合には本来の縄張りへ戻すことで、環境がリセットされます。いけない行為だと認識してもらうために一旦ケージへ戻し、なぜ戻されたのかということを受け入れてもらうことができる環境となるのです。噛む行為とケージに戻されるという行為が関連付けられれば、行動に変化が見られるようになるのです。そして、今後はうさぎさんの縄張りをもう少し制限するという環境の見直しも考えていただくことも大切です。うさぎさんが優位ではなく、飼い主さんが主導権を持っているということを教えるための第一歩となることだと思います。年齢的にも思春期を向かえていることも考えられますので、自己主張の行動も増えてきます。更に行動がエスカレートする前に、うさぎさんを取り巻く環境全体を見直していただくことが重要になってくると思います。