ケージの中にロフトを設置することについては、様々な意見や考え方があることなのだと思います。もちろん、それぞれのうさぎさんに合った環境をうさぎさんの行動を注意深く観察していただきながら、考えていただくことが必要ではあります。まずうさぎの運動について考えてみましょう。うさぎをイメージする時、野山を駆け回る姿を想像することだと思いますが、実はうさぎは必要な時以外はじっとしている動物なのです。このことには、天敵から身を守る術のひとつともいえることなのだと思います。それでも、生きていくために必要な行動は意外と多く、大変な努力をして食べ物を見つけたり、縄張りを拡げたり、時には天敵から逃げるという行動もあることなのです。ペットうさぎにとっては、これらの行動がなくとも生きていける環境下にあるといえますので、本来持っている運動能力を十分に発揮することなく済む環境ではあるといえるのだと思います。しかしながら、健康で長生きしてもらう為には、うさぎの興味を引き出しながら行動を促し、必要な運動をさせるための工夫を取り入れていただきたいことなのです。筋肉を動かすことで骨格も丈夫になりますし、体を動かすことで胃腸の動きもよくなることに繋がります。うさぎが興味を示す環境は、それぞれのお宅のうさぎさんの行動を見ていただくことで見えてくるかと思います。ちょっと高いところや、狭い所、暗い所、穴の中なども好きですし、なにより自分の通り道をつくると思います。また、齧れるものも大好きだと思います。こういったことを踏まえて考えていただいた時、ケージの中で過ごすための通り道を考えていただくと、ロフトやハウスなどを取り入れていただくこともひとつの飼育環境だといえるのではないでしょうか。もちろん、危険がないようにそれぞれのうさぎさんの行動パターンを観察していただくことや、体や年齢にあった環境作りはとても重要になってきます。安全性を重視していただきながら上下と平面の空間を考えていただくことが必要なのだと思います。ロフトを設置することについても、反動を大きくつけて飛び乗るような状況があっては、やはり危険やケガの心配がありますので、そうではない環境を考えていただくことが必要なのです。フルハウスからロフトへ上ることができる環境のようですから、上るためのステップがある環境といえるのではないでしょうか。また、フルハウスへ上るためのステップとして凸ステップ（商品番号１４８７）などを取り入れていただくこともよいと思います。滑りにくくなおかつ上り下りがしやすい環境となると思います。飼い主さんによっては、危険だと捉えられる方もいらっしゃると思います。その場合には、ケージから解放してあげた時、十分に運動できる環境を与えていただくことで、同じように運動能力を上げていただけるのだと思います。ケージ以外の場所で、十分な興味を引き、運動できる環境を与えていただくことでよいのだと思います。またうさぎの骨格の特徴としては、骨格筋量が体重の５０％を超える割に、骨格自体は体重あたりの比率で８％となります。（猫の場合１３％です）このことから、落下した場合や、抱き方が不安定で暴れてしまうことで、後ろ足の強靭な筋力によって、力学的に弱い脊椎の骨が骨折してしまうことが少なくないようです。こういったこともしっかり受け止めていただきながら、うさぎさんにとってよりよい環境となるよう、それぞれのうさぎさんの個性も見ていただきながら、うさぎさんと飼い主さんが納得のいく環境を見つけていただくことでよいのではないでしょうか。