まずは、うさぎさんの本拠地となる場所を、一定の期間だけ変えるということですが、確かに環境の変化を体験することになりますので、そのことから考えるとストレスの要因となることではあります。ただ、この場合はケースバイケースといえることだと思います。まず今回の場合、うさぎさんが大人うさぎでもありますので、赤ちゃんの時とは異なり体調も安定してきていることだと思います。環境の変化によって体調を崩すということのリスクも低くなっていると思われます。そして、日頃からうさぎさんに接しているご家族のもとへ移るということですので、環境は変わったとしても、迎えられるご家族には馴染みが十分にあるといえることだと思います。ご実家でご家族と接しているときのうさぎさんの様子や、うさぎさんのもともとの性格なども思い返していただくとよいと思います。一緒に過ごしていることが楽しそうであったり、好奇心旺盛な性格なども持ち合わせているならば、ストレスの心配は少ないともいえるのかもしれません。これは、お出かけや帰省のご質問とも共通することですが、環境が変わることがあっても、そのことが繰り返される（習慣化する）ことで、その変化を受け入れてくれやすい状況が出来上がります。別宅へ移った際に、今日からはこっちなのね！とうさぎさんもその環境に合わせて過ごしてくれるようになると考えられます。与えられた環境の中で、いかに快適に過ごすことができるのかを見いだすことも、うさぎは得意だといえると思います。縄張りを持つ生き物ですので、それぞれの環境にあった縄張りを持つといえるのです。場合によっては、トイレの場所なども変わる可能性がありますので、その場合には一からまた教えてあげるということも必要になります。また、トイレ以外でおしっこしてしまうという行為が、逆に環境が変わって縄張りの使い方を模索する中で、固定化する場合もあります。どういった行動を見せるのかをよく観察していただくとよいでしょう。そして、これまでと同じ環境に近づくような配慮も重要になってくると思います。大きな環境の変化を体験してはいても、過ごしているケージや小物などはいつもと一緒であるなどでも、うさぎさんは安心感を持つといえるのです。環境の変化によって、どう様子がかわるのかをよく観察していただいて、体調の変化を見逃さないということが重要です。不安な状況が見られる時には、獣医師にきちんと診ていただく環境を整えていただくことも必要です。これらをクリアできる環境を整えていただくことで、うさぎさんにとっても別荘が出きたと捉えてもらえるようになるのではないでしょうか。次にトイレについてですが、暖をとるためのマットにおしっこしてしまっているようですが、休息しながらそのままその場で出てしまっているのではないでしょうか。そのマットの場所だけにおしっこをしているというよりは、ちょっと出てしまったという状況であるならば、トイレの場所は他だと認識してはいても、寒くて動くのが億劫だというような理由などから、見られているのではないかと推測できるようです。これから過ごしやすくなる季節になりますので、このマットを取り除いた時、どういった行動が見られるのかを引き続き観察していただくとよいと思います。また、ケージの外へ出た時には、うさぎさんも喜んで興奮していることだと思います。この興奮からおしっこが出てしまうということもよくあります。飛びながらということには、こういった意味が当てはまるようではないでしょうか。また、縄張りを主張する必要がある場合には、女の子でもマーキングの行為を見せます。自分のにおいをおしっこで示して、ここは私の縄張りだと主張しているとも捉えらえることだと思います。うさぎさんを取り巻く環境をよく観察していただいて、縄張りや優位性を助長する必要のない環境作りが必要になってくると思います。最後に顎を擦り付ける行為ですが、これもにおいつけの行動です。顎の下には臭腺という場所があり、ここからでる分泌物でにおいつけを行うのです。自分の縄張りはここだと明確に主張しているといえるのだと思います。