放し飼いの環境で過ごしているうさぎさんですので、縄張りの認識がケージだけに留まらずに、行動範囲全体が縄張りとなっているといえます。縄張りが広いですから、その環境の中で過ごす場所をうさぎさんなりに決めているのでしょう。広い縄張りを持つこと（与えていること）で、自分の強さ（優位性）を認めてしまっていることも考えられることです。トイレについても、自分の縄張りの中の一か所にちゃんと決めていることですので、一概に叱ることができる状況でもなく、そうできる環境を与えているからといえることなのです。ペットホテルなどに預ける時には、この環境が全く違うものになりますので、そうなった時にはその与えられた環境の中での過ごし方を見つけることではあると思います。ただ、縄張り意識がより強い子などであれば、自分の決めたトイレに行けるまで我慢してしまう子もいることでしょう。そういった環境を与えないで済むように、ある程度制限をした縄張りを与えてあげるということが、うさぎさんにとってよい環境ともいえるのです。また、制限のある環境で過ごすことで問題行動も軽減してきますので、飼い主さんにとってもよい状況が見られるといえるのだと思います。そして、特定の人に対してだけに見せる行動には、うさぎさんからの言葉としても捉えていただけることだと思います。愛情表現ということであったり、逆に対抗意識などから見せている行動があったりします。今回の場合には、髪の毛を齧ったり食べてしまっているということです。その状況が見られる時、うさぎさんはどういた様子で過ごしているでしょうか。特定の行動だけではなく、それが見られる前後の状況まで観察していただくことで、その行動の意味が見えてくることも少なくありません。考えられることとしては、構ってもらいたいという気持ちで気を引こうとしている場合や、その場所から退いてほしいということ、すでに習慣となっていることなどが上げられるかと思います。この行動も問題行動といえることだと思いますので、その行為を受け入れるのではなく、止めさせてあげられるように環境を整えていただくことが望ましいことではないでしょうか。また、牧草などの繊維質も十分に食べられる環境にあるのかという点も、見返していただくことも重要だと思います。