うさぎさんは、野山を駆け回り過ごす生き物といったイメージがあるのではないでしょうか。縄張りを広げたり、食べ物を探すためだったり、時には敵から逃げたりといった行動をとるために、活発に動くということがイメージされることだと思います。そういったことからいえば、高いところに上ることも日常にある動作ともいえるのだと思います。もちろん、うさぎさんが単純に、ちょっと高いところが好きということもあります。また、穴や狭いところも大好きです。ですからそういった場所へ行こうとする行動を見せることは、自然なことでもあると思います。ソファーの上に乗ることで、その場所でおしっこしてしまったり、掘ったり齧ったりする仕草が見られたりする問題行動に発展する時には、その場所に行くことができない環境を作ることが必要なのです。また、家具の隙間などにも潜り込もうとすることもあります。そうなるとソファーの場合よりも危険度（挟まれる、家電の配線などを齧って感電してしまうなど）も増してきますので、あらかじめうさぎさんにとって安全な環境を与えるということが必要になってくるのです。壁に関しても、齧ることがうさぎの仕事ともいえることですから、齧られない環境にしてあげることも必要なのです。うさぎは木に限らず、囓ることができる物はなんでも囓ってしまうことも少なくないのです。この物を囓るという行為は、本能から見られる行動といってもよいのです。うさぎの切歯（前歯）などは一年間に１０センチから１２センチほど伸び続けることからも、物を囓ってその伸びる歯を削ることが必要なのです。そういった本能から、木以外でも囓ってしまうことがあるのです。囓ってはいけない物を囓らないようにしつけることも重要ですが、うさぎさんが囓ることが出来ないように配慮することが必要なのです。叱るときには、時間を置かずにその場で言い聞かせていただくことになります。うさぎさんの動きをしっかり止めてから、うさぎさんの目を見て「齧ってはダメ！」ということを伝えるのです。叱る時の声を大きくすることで、普段との違いを察知してもらえることにもなると思います。また、直接うさぎさんを叩くなどのことはしてはいけません。怪我のほか、うさぎさんとの信頼関係などにも関係してきますので、音などを出して叱る場合には、床などを叩くようにしていただくとよいでしょう。そして物を齧ってしまう時、柱や家具の脚などの場合には、サークルなどで場所を塞ぐほか、コーナーガードやL字金具などで囓られないようにあらかじめ予防する事がよいと思います。そして、糞やおしっこについては、これらで縄張りの主張を行うことでもあるのです。ただ単に排泄しているということではなく、においつけといった意味合いがありますので、１００％トイレだけでということは実は不可能にも近いことなのです。また、興奮することでも糞はポロポロと出てしまうことも多いのです。ケージの外に出す前に、サークルなどの狭い範囲の中で一旦興奮を抑えてあげてから、普段の縄張りに改めて出すということでも、興奮が抑えられる分行動に変化が見られることもあると思います。また、縄張りの主張を助長させない環境、すなわち広過ぎない環境や時間も少し短くしてみるなどの対策で、様子を見ていただくことになるかと思います。うさぎの習性にも関わっている行動ですので、そのことを止めさせることは難しいことでもあります。ですから、どうすればそれらの行動を軽減できるのかということを考えていただきながら対策をとり、どう変化があるかということを観察していただきたいと思います。その子その子で対応の仕方が違ってくることでもありますからね。