うさぎさんには換毛期と呼ばれる体の毛の抜け替わる時期があります。本来は年に２回ほど大きな抜け替わりがあり、その他にも２回程小さな抜け替わりもあると言われています。季節のある場所に住んでいるうさぎの特性ともいえることなのだと思います。この換毛には温度変化が関係しています。ペットうさぎのように室内で飼育している場合には、温度変化が年間を通じてあまりないですから、だらだらと換毛する子や、ほとんど換毛のような事がない子、季節はずれに換毛が起きる子など様々でもあるようです。季節に合わせた換毛期ではあっても、取り巻く環境の違いや個体差があることで、その訪れ方はうさぎさんごとで変わってくるということでもあるのです。今回のうさぎさんの場合には、一般的に換毛が訪れえる時期よりも遅いという傾向があるようです。それでも、季節外れの換毛期とも言い難い、ある程度の範囲内で見せているとも捉えられるようだとは思います。このことに関しては、うさぎさんを取り巻く環境によることや、うさぎさん自体の体内リズムなどに関係しているともいえるのかもしれませんね。そして、うさぎの日光浴に関しては、私たちが体内にカルシウムを取り込むためには、日光にあたりカルシウムを吸収できるようにビタミンDを合成しなければなりません。しかしうさぎはこのビタミンDを必要とせずにカルシウムを取り込むことができるのです。この点からいえば、うさぎの場合には、日光浴の必要があまりないともいわれているようです。ただこの日光浴は、うさぎにとってもやはり必要なのではないかという声もあります。実際に日光浴をしているうさぎは本当に気持ちよさそうですし、また病原菌は紫外線にも弱いですので、日常の生活に日光浴をできるリズムをつくってあげることもよいことなのだと思います。ただし注意点として、うさぎは上昇した体温を外に逃がすのが苦手ですので、強い日差しに長時間ということだったり、特に夏の日光浴には十分注意することが必要になってきます。ベランダでの日光浴もよい案ではありますが、環境が変わることでうさぎさんにストレスがかからないか、注意深く観察していただくことは必要だと思います。手始めに陽射しが入り込んでくる場所にケージごと移動して、日光浴をさせてみるということからでもよいのだと思います。ベランダ側の窓際などでもよいでしょう。そこから窓を開けて音も感じさせてあげるなどと、段階を経てベランダでもストレスなく過ごしてくれそうかということを観察していただくとよいと思います。はじめはケージごとベランダへ出るということでもよいと思います。そして、日光浴とはいっても、直射日光が長時間当たる様な環境ばかりでは望ましくありません。日陰の部分も作っていただいて、最終的にはうさぎさんが自由に行き来することが出来るような環境にしてあげましょう。熱すぎる環境は、夏でなくても熱中症を起こしてしまう可能性もあるわけですから、そうならないように注意してあげなければいけません。時間で決めるということよりも、その時々の環境をよく把握していただきながら判断していただくことになるのだと思います。うさぎさんの体の色の違いなどでも、熱を吸収する時間が異なってくることでもありますし、活発に動くなどして運動量があれば、より早く体の熱が上がってくるともいえるでしょう。うさぎさんの体や耳に触れていただいて、通常よりも熱いと感じられるようであれば、止めていただくことがよいと思います。よかれと思った日光浴で、熱中症になってしまうようではいけませんからね。また、ベランダに直接放してしまう場合にはより注意が必要です。ベランダの素材がコンクリートなどですと、熱を蓄積し熱くなる場合もあります。動き回った時に汚れてしまうことも予想できることだと思います。すのこを敷いていただくことで、体が直接触れずにすむことにもなりますから、汚れも気にならず、また、熱さを直に感じずに遊んでももらえるのではないでしょうか。また、ベランダの柵などから外に出てしまう可能性がないかなども入念に調べていただいて、より環境を整えていただくことが大前提となると思います。そしてベランダに出してあげる時には、飼い主さんは側から離れずに、しっかり見ていてあげることも重要です。新しい環境を与える時、うさぎさんにとって何が起こるの？とその環境の変化を感じ取っています。うさぎさんがストレスなく順応できるようによく観察しながら、そして焦らずにゆっくり時間をかけながら新しい環境を与えていただくことが大切なのだと思います。