我々人間でも個性があるように、うさぎにとってもそれは同様なのだと思います。今回の飼い主さんの場合には、うさぎさんと過ごしたこれまでの経験もおありですし、今現在も複数飼いということですから、うさぎの個性の違いがとてもよくわかっていらっしゃるようです。喜怒哀楽の表現が強い子は、自我をしっかり伝えているといえるのだと思います。飼い主さんの様子に合わせたり、観察するということより先に、自分はこうだということを伝えているのではないでしょうか。自分の思い通りにならないことに拒絶するということも、表現が単純明快であるがゆえに予想できる状態でもあるのだと思います。飼い主さんは、うさぎさんがこう行動を取ると、こういう行動を見せるということを理解されていらっしゃるようではありませんか？うさぎさんの個性を上手に受け止めていらっしゃると受け取ることができるようです。まずはうさぎさんの個性や性格がどうなのかということを観察して理解することが、うさぎさんとのコミュニケーションの始まりだと思います。そして、その個性や性格は、基本的に変わらずに成長していくともいえると思います。もちろん、成長を重ねることで落ち着きや穏やかさが見られるようになることもありますし、うさぎさんを取り巻く環境を見直すことで変わってくる場合もあります。時間をかけて向き合っていただくことや、よりよい環境となるように考えていただくことなどが大切なのだと思います。そして、今回のケースに当てはまるかといわれると定かではありませんが、男の子の場合には去勢という判断もできるのかもしれません。去勢をすることで、繁殖を防ぐことや生殖器系の病気の発症を防ぐ、そして攻撃性なども減ることがあげられます。性格が穏やかになったということも聞かれることがありますので、かかりつけの獣医師とご相談されることもよいのではないでしょうか。去勢で問題行動が１００％なくなることではありませんので、期待した変化が見られない場合もあるでしょうが、ひとつの判断方法ではあるのだと思います。今回の場合は、その時その時の対処をしっかり取られている飼い主さんですので、うさぎさんもそのことは理解しているのだと思います。ご機嫌斜めになったとしても、最終的には飼い主さんがいないとなにもできないのだということをわかっているのではないでしょうか。普段なんでもない時のうさぎさんの様子はどうですか？大好物を食べている時や、楽しく遊んでいる時のうさぎさんから、幸せだという空気が感じられていることだと思います。うさぎさんにとっての苦手なことも、最終的には飼い主さんが上手に対応されているのだと感じられます。まだ一緒の生活がスタートしたばかりの年齢です。毎日を過ごしていくことで、よりうさぎさんの考えていることが見えてくるのではないでしょうか。うさぎさんの性格が違うように、うさぎさんの気持ちが見えてくるようになることにも、それぞれのうさぎさんごとで時間が異なることなのだと考えていただいて、焦らないということも大切なのだと思います。これから長い時間を一緒に過ごすことになるわけですから、どう感じることができるか、またうさぎさんもどう変化してくるのかを楽しみながら過ごしていただきたいと思います。