うさぎさんは基本的に抱っこが苦手ですので、まずそのことを理解していただくことからスタートといえると思います。本来は捕食される動物ですので、本能で感じていることなのだと思います。だからこそ、飼い主さんが的確にすばやく行うということが必要になってくるのです。苦手な抱っこにつき合ってもらっているという気持ちも持ちながら、ここという場面では躊躇せずに飼い主さんの威厳を見せつつ対応するということが大事なのだと思います。ケージから放してあげる時に抱き上げることは、実は抱っこの入り口でもあったりします。うさぎさんとしては外に出たいという気持ちもありますので、そうするには飼い主さんから抱き上げられないといけないということを理解してもらえる場面でもあるのです。ただ、今回のうさぎさんの場合には、噛みついてくるという反応があるようですので、無駄に興奮させないためには、今とっている方法は適切なことだと思います。お部屋の中からケージに戻す時には、追いかけるような状況になったとしても、噛みつくという行動に出ないからこそ、対応されていることなのでしょう。ですから、今度は追いかけまわさずに済む環境を与えるということを考えていただくとよいのだと思います。うさぎさんの行動範囲である縄張りをあらかじめ仕切っておくことで、逃げる範囲が狭まります。こうなることで遊ぶ範囲も狭くはなりますが、ケージに戻す時にも苦労が少なくなると考えられませんでしょうか。もしくは、追い込み式といえるように、徐々に範囲を狭めていくこともできるのかもしれません。うさぎさんにとって、抱っこされることとケージに戻されることが一体となっていますので、きっとあまりよくない記憶となっていることと思います。今後もこの行動を続けることで、より逃げるという行為に発展したり、噛むという行動が見られるようになる可能性もあると思います。連鎖反応となってしまわないように、また習慣とならないうちに、改めて与えている環境を考えていただくことが大切だと思います。そして、ケージから出してあげる時は、ケージという狭い環境の中から行うことですので、うさぎさんにとっては諦めるしかないというしつけもできることではあるのです。抱き上げるポイントや躊躇しない心構えを持っていただきながら、再度抱き上げることをチャレンジすることもよいのかもしれませんね。うさぎさんも賢いですので、何をされるのかを察知することだと思います。ケージの上部から牧草やおやつを与えるなど、うさぎさんにとってうれしい状況もたくさん見せてそれを記憶させてあげることで、抱っこにトライしていただくチャンスもあることと思います。抱っこはうさぎさんとの触れ合いの為の行為ではなく、移動させることやグルーミング、そして体のチェックなどに必要不可欠な行為です。うさぎさんにつき合ってもらっているという謙虚な気持ちも忘れないことに加えて、必要なしつけであることをうさぎさんにも理解してもらえる対応をとることも大事なことなのです。試行錯誤されることとは思いますが、是非諦めないでチャレンジしていただきたいと思います。